アニメ原画の基本工程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/02 15:51 UTC 版)
原画を描く前に、原画マンはレイアウトを描く。レイアウトとは、背景や人物などを含めた大まかな画面設計図である。レイアウトは、専門のレイアウト担当者が描く場合もある。このレイアウトに従って、原画マンが動きのポイントとなる原画を描く。 原画を描き上げた時点ではまだアニメーション作画は完成しておらず、(演出家や作画監督のチェックを経た後)滑らかに動いて見えるように、動画マン(動画担当者、動画)が動画(中割=なかわり)を描き加える(中割り作業をする)ことで、「動く絵」としてのアニメーション作画が一応の完成となる。原画マンは、動画マンに原画を渡す前に、動画を何枚描くか(タイムシート)、どのような動かし方をするか(ゲージ)、という指示を加える。動きに関しては原画の段階でほぼ完成系が見えているのが普通であり、動画マンが独自の解釈を加えて作画することは原則としてない。 難度の高い動きのカットの場合、 原画マンが予め原画と原画の中割の下書きを描いて下流工程の動画マン(英:inbetweener)に渡すことがある。下書きなので原画より簡易に描かれることが多い。これを中割参考(なかわりさんこう、略: 中参)と呼ぶ(数字を△マークで囲んだり、ア、イ、ウなど数字以外の番号を振ったりとシート上でも区別されることが多い)。 また中割り作業を動画マンに任せず、通常なら動画に相当する部分も全て原画で描く場合や、原画で全ての動きを描いて「中割要らず」にする場合(これを「全原画」や「フル原画」と呼んだりもする)もあり、この際動画マンが行うのは原画のクリーンアップのみである。
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