アカボウズハゼとは? わかりやすく解説

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アカボウズハゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 06:47 UTC 版)

アカボウズハゼ
アカボウズハゼSicyopus zosterophorus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ハゼ亜目 Gobioidei
: ハゼ科 Gobiidae
亜科 : ボウズハゼ亜科 Sicydiinae
: アカボウズハゼ属 Sicyopus
: アカボウズハゼ S.zosterophorus
学名
Sicyopus zosterophorus
(Bleeker,1857)
和名
アカボウズハゼ(赤坊主鯊)

アカボウズハゼ(赤坊主鯊、学名:Sicyopus zosterophorus)は、南西諸島の渓流に生息するハゼで、個体数は非常に少ない。アカボウズハゼ属に属す魚。カエルハゼによく似ているが、背鰭に黒点がないこと、上顎の後半が眼の中央より後方にあり、吻長は上顎より長いことなどで区別可能。

分布

日本国内では、種子島屋久島奄美大島沖縄島石垣島西表島[2]にのみ分布する。西部太平洋の島々[3][2][4]

形態

全長は4-6センチメートル[3]。オスに体側後半部は鮮やかな赤色で、数本の黒色横帯を持ち[3]、産卵期になると特に鮮やかになる[4]。メスの体は一様に淡黄色であり[2][3]、オスと比べて透明感が強い。両顎歯は尖った円錐状または犬歯状を呈する。背鰭に黒点がないこと、上顎の後半が眼の中央より後方にあり、吻長は上顎より長い[3]

生態

主に小河川の上流域[3][4]渓流域に生息し、大きな川にはいない[2]。頭上が開けた明るい滝壺でよく見られ、森の中をゆるやかに流れるごく浅い細流にも生息し[4]、流れの緩やかな淵の岩盤や転石の上に単独で見られ[3]、やや薄いところを好み、淵に単独で見られ[2]、中層を遊泳して移動する[2][3]。上流に向かって積極的に遡上し、途中に障害となる滝があってもものともしない。落差が10m以上ある滝の上にある淵にもその姿が見られる[4]

動物食性で、飼育下ではユスリカ幼虫(アカムシ)などを食べる[3]

保全状況

多量取水による河川流量の減少、ダム建設、道路整備による土砂の流入などにより、生息環境が悪化し、個体数が減少している。また、美しい体色や希少性から観賞魚として人気があり、業者やマニアによる乱獲にも注意が必要である。絶滅危惧ⅠA類[3]

絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト

関連項目

脚注

  1. ^ Jaafar, Z. 2019. Sicyopus zosterophorus. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T196378A91081841. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-2.RLTS.T196378A91081841.en. Accessed on 05 November 2023.
  2. ^ a b c d e f 鈴木寿之・渋川浩一・矢野維幾、『決定版 日本のハゼ』、平凡社、2004年、46・47頁
  3. ^ a b c d e f g h i j 細谷和海、『増補改訂 日本の淡水魚』、山と渓谷社、2019年、416・417頁
  4. ^ a b c d e 松沢陽士、『ポケット図鑑日本の淡水魚258』、文一総合出版、2016年、234頁



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