アウトボードとインボード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 07:38 UTC 版)
「フォーミュラ1カー」の記事における「アウトボードとインボード」の解説
ブレーキの配置は大きく分けてインボード(シャーシ側にブレーキを設置し、車軸のない前輪はトルクロッドと呼ばれる部品によって車輪と結合させる)とアウトボードの2種類に分けることができる。 当初はアウトボードタイプが主流であったものの、一時はばね下重量軽減のためにインボード化が進んだ。 しかし、インボードタイプはブレーキと車輪の間に存在するトルクロッドに負荷がかかりやすく、ブレーキング時に捻る力によって破断してしまう可能性があった。特にF1マシンでは、極限まで軽量化されていたため強度的に限界に近いものであったという。1970年イタリアグランプリで発生したヨッヘン・リント死亡事故は、このロッドの破損が原因であるといわれている。また、1970年代後半からグラウンドエフェクトという考えが広まり、車体下部に設けられたディフューザーと干渉することから、インボードタイプのブレーキは空力的に邪魔となり、再びアウトボード化された。 アウトボードブレーキは、ホイール内部にブレーキが設置されるために放熱性に劣る場合が多い。そのため、ブレーキの冷却には細心の注意を払う必要がある。ちなみに、ディスクブレーキの径が大きいほど放熱性に優れ、厚みが大きいほど耐熱性に優れるが、その分コストが上がる。現在は、厚み:28 mm以下、直径:278 mm以下に制限されている。
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