アイルランド競馬とジョージ4世
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 00:31 UTC 版)
「ジョージ4世と競馬」の記事における「アイルランド競馬とジョージ4世」の解説
アイルランドの競馬会 は、1821年に戴冠したジョージ4世に対し、秋競馬への臨席を乞う招待状を送付した。ジョージはこれに応えてアイルランドへ巡幸を決めた。現役のイングランド国王が公式にアイルランド本島へ渡るのは、1399年にリチャード2世がアイルランド征服のために自ら出陣して以来、およそ420年ぶりのこととなった。 アイルランドのカラ競馬場では、国王を迎えるための貴賓席と宴会のための広間の建設を行った。ところが、アイルランドへ向けて出航する前日になって、ジョージ4世がものすごい下痢をしているという報せがアイルランドに届いた。アイルランド最高位の貴族第3代リンスター公爵の指揮の下で、早馬を出してダブリンから急遽専門家を招聘し、国王のために特別室を突貫工事で作らせた。ジョージ4世は1レースからその特別室に「駆け込まざるをえなくなった」。(ジョージ4世にとっては「便座がちょっと小さい」ものではあったという。) アイルランド競馬会のこうした対応に大満足したジョージ4世は、イングランド国内でもニューマーケット競馬場だけにしか許されてなかった、特別な賞品を下賜した。これは名馬エクリプスの尻尾の毛を編み込み、金で飾られた鞭である。これ以来、アイルランドの競馬は盛んになった。毎年、カラ競馬場ではこの鞭を賞品とするレースを開催し、ジョージ4世は賞金を提供した。この競走はいまでもロイヤルウィップステークス(Royal Whip Stakes、G3)として行われている。
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