むち打ちとの関連と関心の高まり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 08:38 UTC 版)
「脳脊髄液減少症」の記事における「むち打ちとの関連と関心の高まり」の解説
やがて、外傷性頸部症候群(いわゆる「むち打ち」)などでも髄液が漏出することがあると主張されるようになり、2004年末には患者やその支援者らによってブラッドパッチ療法の保険適用を訴える約10万人の署名が厚生労働省に提出され、その後も都道府県議会が保険適用を求める意見書を次々と採択するようになった。しかし、厚生労働省サイドは依然として静観を続けた。 ところが、2005年春に、交通事故で脳脊髄液減少症を発症したとされる患者と、「むち打ち症なのに、髄液漏れを主張するのは不当だ」とする損害保険会社、共済との間で全国的に訴訟が展開されるようになり、さらに、2006年にかけて脳脊髄液減少症を事故の後遺障害として認める司法判断(岡口基一裁判官)が報道されると、関連学会の関心が一気に高まった(もちろん、「むち打ち症」の患者のすべてが脳脊髄液減少症であるわけではない)。 こうしたなかで、篠永らは、むち打ち後遺症として脳脊髄液減少症を患う患者が数十万人存在すると主張し、2007年には、独自のガイドラインを作成した。他方で、多くの専門家は、むち打ち後遺症の患者で髄液漏れは確認できないとして、対立が続いた。そして、日本脳神経外傷学会が92施設の協力を得て、2008年から1年かけて全国調査を実施。その結果、登録症例25例のうち4例で外傷後の髄液漏れが存在することが明らかになったが、漏れが止められれば完治できることも確認された。
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