ふきだしと翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 09:15 UTC 版)
以上の解説は主に日本語圏におけるふきだしの解説であるが、ふきだしのルールは地域によって若干異なり、漫画の国際的な流通が盛んとなった今日では翻訳の際に大きな障壁となることがある。 アメコミをはじめ、英語圏ではふきだしを独立して描かず、コマの余白か、コマの枠線を部分的に使ったふきだしにセリフを独特の手書き文字で描くことが多い。これを翻訳して文字を張り直すことはさほど困難な作業ではないが、一方、日本の漫画を英語に翻訳する際には、いくつかの障壁が存在する。第一に、縦書きと横書きで綴じ方が逆になるため、コマの順番が入れ替わる。このことについては原稿を鏡像にしたり、一コマずつ切り離して再構成したうえで翻訳し、鏡文字になる擬音などの描き文字は強引に修正する方法が広くとられてきたが、近年では原作を尊重する動きから、あえてそのままの原稿で横書きに翻訳し、読み進める方向を読者に指示する解説ページを最終ページ(つまり現地読者にとって最初のページだと思われがちな部分)に添える編集スタイルが見られるようになった。複雑に配置されたふきだしも、元の意図を尊重した翻訳をすることができる。また、手書き文字はある程度残され、欄外に注釈が添えられる。
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