綴じ方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/26 03:59 UTC 版)
大島本は袋綴になっている。このことについて佐々木孝浩は、袋綴という綴じ方は、安価な薄い紙を使うときや反古紙を再利用する時に使う「安物の装幀」であり、当時の権力者である大内氏が飛鳥井雅康に依頼して作らせた写本には相応しくないものであり、この「大島本」は大内氏の求めによって作成された「飛鳥井雅康書写本」そのものではなく「飛鳥井雅康書写本を転写したもの」であるとする根拠の一つとした。これに対して藤本孝一は、「袋綴」という綴じ方は確かに安価な薄い紙を使うときや反古紙を再利用するときに使われる綴じ方ではあるものの、全ての「袋綴」がそうではなく、実際にこの大島本の場合には反古紙を再利用したような紙は一枚もない。大島本の装丁は当時の中国で生まれた最新のものを取り入れたものであって、このころ明と日本との最大の交流の窓口になっていた大内氏のために作られた写本としては至って相応しいものであり、何ら疑問とするに足りないと批判した。
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