ひが-を-ばらす
- 脱糞-盗賊ノ仲間ニ於テハ邸内ニ忍入リタル際、庭園其他ノ場所ニ大便ヲナシ置クコトアリ、ソハ番犬ノ来リテ其臭イヲ嗅グニ、偶々鼻先ニ附着シ為ニ嗅覚ヲ失ヒ異状アルヲ悟ラザルガタメナリト云フ。〔第四類 言語動作〕
- 盗賊仲間にて大便する事をいふ。彼等は人の邸内に忍び込むと、先づ多量の脱糞をするのが常習である。これには三つの理由がある。第一には、大糞をたれて気を落着ける為めである。第二には番犬が偶々来ても犬は人糞を好む習性がある故に、この御馳走に気を取られて主家に異状あることを悟らざるが為めである。第三には、大便をして置くと、無難に仕事が出来て、犯蹟が露見せないといふ呪ひの為めである。〔犯罪語〕
- 犯罪語にて盗賊仲間にて大便する事をいふ。彼等は人の邸内に忍び込むとき先づ多量の脱糞をするのが常習である。これには三つの理由がある。第一には、大糞をすれば気を落着ける為めである。第二には番犬が偶然来ても犬は人糞を好む習性がある故に、この御馳走に気を取られて主家に異常あることを悟らざるが為めである。第三には、大便をして置くと、無難に仕事が出来て、犯蹟が露見せないといふ呪ひの為めである。
- 〔隠〕犯罪語。盗賊仲間で大便をすること。
- 盗人が人家に忍び入る前に大便をすることをいふ。大便をすると気が落ち着くのと番犬が吠へる前に人糞に誘惑されるのと、無難に仕事が出来るといふまじないとのためにする。
- 脱糞。屋内に忍入る盗賊が窃盗成就の呪禁に忍入る前入口などに大便をして置く。又大便をして置くと番犬がその臭気を嗅ぎ嗅覚に異状を来して怪しい者が来たことを覚り得ないとの考より起つたもの「きがふせる」ともいふ。
- 〔犯〕大便をすること、彼我(糞と尿)を散らすの意。
- 盗賊仲間で大便をすることをいう。彼等は人の邸内に忍び込むと、先ず多量の脱糞をするのがつねである。これは二三の理由がある。第一には、大糞をたれて気をおちつけるためである。第二には番犬がたまたま来ても犬は人糞を好む習性があるから、この御馳走に気をとられて主家に異状あることを悟らないためである。第三には、大便をしておくと無難に仕事ができて、犯跡が露見しないという呪ないのためである。〔一般犯罪〕
- 盗賊仲間で大便をすることをいう。彼等は人の邸内に忍込むと、先ず多量の脱糞をしているがこれは二三の理由がある。第一には大糞をたれて気をおちつけるためである。第二には番犬がたまたまきても犬は人糞を好む習性があるから、この御馳走に気をとられて主家に異常のあることを悟らない、又臭覚に異常を来して怪しい者が来たことを覚らない。第三に大便をしておくと無難に仕事が出来て、犯跡が露顕しないという呪ないのためである。しかし、この脱糞は捜査上有力な資料となることはいうまでもないところであり、大体、脱糞しているときは常習者とみて差支えない。
- ひがをばらすのページへのリンク