はと‐の‐かい【×鳩の戒】
鳩ノカヒ
- 〔倭訓栞〕妖巫の類をいふ、八幡神に託し、鳩の飼料をむさぼる義にや、或は鳩の卵と書けり、又定家卿鷹の歌に、男山鳩やかひたるたかばかりと見え、注に鳩の秤の故事よりいふ歟といへり。〔嬉遊笑覧〕十一、下手談義に年中江戸に住居しながら、日本回国とまかまかしき顔つき、是を仲間六部といふ、昔はかやうの者を鳩のかひといへり、此名義しるべからねど、定家卿の鷹百首の内、男山鳩やかひたるたかばかり、かけおくれてや落に行らん、鷹秤の説あれども此歌聞えがたし、鳩をもて鷹をとる事にや、彼の鳩の飼はたかばかりの意なるべし、後撰夷曲集、寄鳩恋(本茂)さまざまにかたり付ても靡かぬは鳩のかひなき君が心中、後にかたりといへるも是なるべし、浮世ばなし(寛文十年板)鳩の戒とありて、鳩は鴬の巣をよく作るを見て、それを学て巣を作れども、木の枝などを組んで其上に卵をうむ故、枝の間をもれて砕く、それ故物ごと心得がほにふるまふものを鳩の戒といへり。〔遊君三世相〕きやつはどこの-人の妻子に髪きらせてつれゆくは、さてはおのれは間男かな。
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