とにかくよく見て覚える
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 04:39 UTC 版)
目立つ印があろうがなかろうが、とにかくよく見ていれば覚えられる、というものである。これは、第二次大戦後の日本の動物生態学、特に今西錦司の門下の御家芸であった。名付けて名人芸的個体識別法と言う。もちろん当初は目立つ印がある個体が覚えやすいのであるが、最終的にはすべての個体を覚えてしまう。それぞれの個体には、なじみやすい名前をつけるのが通例である。うまく行けば、後ろ姿をちらっと見ただけで、どの個体か分かるようになると言う。 今西錦司は、人間社会の起源の解明を目標に、一方で哺乳類の社会を人間の社会の発展への過程に位置付け、それを研究することで人間社会の研究を目指したものである。そのためサルなどの研究においても、人間に対するような対応を取ろうとした。この方法によって、サルの社会の構造やそれを巡る行動について多くの知見が得られ、それまでのサル社会への認識が激変したと言ってよい。ただし、客観性に欠けるとの批判もある。
※この「とにかくよく見て覚える」の解説は、「個体識別」の解説の一部です。
「とにかくよく見て覚える」を含む「個体識別」の記事については、「個体識別」の概要を参照ください。
- とにかくよく見て覚えるのページへのリンク