直接販売原油
【英】: direct-deal crude oil
同義語: ダイレクト・ディール原油
産油国が石油会社の利権に対する事業参加や国有化によって取得した原油を、国際石油会社の手を通さずに直接消費国の顧客に販売する原油を指す。DD 原油(直接取引原油)とも呼ばれる。広義の直接販売原油には、産油国自ら開発・生産した原油、および合弁・請負、PS 契約に基づき取得した原油、ロイヤルティ原油なども含むが、石油史の上で固有の位置を占めるものとしては、1972 年末のリヤド協定を端緒とする事業参加やそれと並行的に進められ、しかも 1978 年から 1979 年にかけてのイラン革命と第二次石油危機を契機に一般化した国有化などの結果、産油国が国際石油会社の取り扱い原油を削減し、それを自ら直接処分するようになったものを指す。事業参加や国有化によって取得するようになった原油を、産油国は初期の段階においてこそ国際石油会社に依存して販売していたが、第二次石油危機を契機に実質的に全量を自ら販売するようになった。このとき、世界中の独立系石油会社は原油の主な供給者を国際石油会社から産油国の国営石油会社に転換したが、その買い急ぎによるスポット価格の急騰が第二次石油危機の引き金となった。このような原油供給構造の変化はまさしく石油産業の構造的な変化であり、第二次石油危機のあと、需給が供給過剰に転換し、市況が軟化して、きても、原油販売のチャンネルが元に戻ることは起こっていない。 |

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