達磨はづし
- これも大阪が本場だといふ。こんな本場は自慢にはならぬが、羽織をひつぱがすといふのだから凄い。主として懐ろ手をしてぼんやりしてゐる奴の羽織をするすると両袖の端を捕へて失敬する。懐ろ手をしてゐなければ、襟首からそつと毛虫でも入れて、対手が脊中をかいた拍子に片袖ぬがせ、続いて他の片袖をぬがせるといふまるで噓のやうなスリである。殊に裏地に羽二重とか、カイキとかを用ゐたのは、非常に仕事がやり易いといふから困つたものだて。
- 活動や芝居の看板を見て居る群衆の中に這入つて後から羽織をするすると脱がせて盗むことをいふ。達磨はがしともいふ。〔犯罪語〕
- と云ふのは懐手などしてゐる者の羽織を掻浚ふもので、初め突き当つた時に先づ羽織の紐を解き次に全体を脱がせると云ふことである。
- 活動や芝居の看板を見て居る群衆の中に這入つて後から羽織をするすると脱がせて盗むことをいふ。達磨はがしともいふ。
- 〔隠〕「達磨はがし」ともいふ。活動や芝居の看板を見てゐる群衆の中に這入つて、後から羽織をするすると脱がせて盗むこと。
- 〔犯〕「達磨はがし」ともいう、活動や芝居の看板に見とれている群衆の中にはいつて後から羽織をするするとぬがせて盗むこと。
- 混雑している場所で羽織を掏ること。〔一般犯罪〕
- きている羽織を窃取すること。〔掏摸〕
- 着ている羽織を盗み取る。「だるま」の項参照。〔す〕
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