せつわぶんがく

デジタル大辞泉

せつわ‐ぶんがく【説話文学】

読み方：せつわぶんがく

神話・伝説・民話などを集録した文学作品の総称。広義には上代の叙事的な文学も含めるが、ふつうは、平安時代後期から室町時代にかけての説話集を対象とする。叙事的、伝奇的、教訓的、寓意的な要素を含み、内容上、仏教説話と世俗説話とに大別される。

世界宗教用語大事典

せつわぶんがく 【説話文学】

神話・伝説・童話などの説話を素材とし、文学的な内容や形態をそなえたものの総称。広義には上代の叙事文学などを含めていうが、多くは説話を蒐集した『今昔物語』『宝物集』の類や御伽草子のような、平安末期から鎌倉・室町時代に行われた文学をいう。叙事的・伝奇的・教訓的・寓話的な要素をもち、民衆の意見・嗜好・信仰などが端的に表れている。世界ではインドが説話の宝庫であり、世界各国の説話はすべてインドを起源とするとの説がかつてあったほどだ。仏典である『ジャータカ（本生経）』なども、イソップ物語やアラビアン-ナイトにも影響を与えているし、日本の『今昔物語』や『宇治拾遺物語』とも深いつながりがある。