スタート‐ワン【STARTⅠ】
読み方:すたーとわん
《Strategic Arms Reduction Treaty Ⅰ》1991年7月に米ソ間で締結された軍縮条約の一つ。両国が配備する大陸間弾道ミサイル(ICBM)・潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)・重爆撃機の総数を1600基に削減し、戦略核弾頭の総数を6000発に制限するなど、数値目標を設定して戦略兵器の削減に取り組み、2001年12月に目標を達成した。第一次戦略兵器削減条約。
[補説] これに続くSTARTⅡ(第二次戦略兵器削減条約)は1993年に調印されたが発効に至らず、1997年に交渉の開始が合意されたSTARTⅢ(第三次戦略兵器削減条約)も進展を見なかった。その後、両国は2002年に戦略核兵器削減条約(モスクワ条約)、2011年に新戦略兵器削減条約(新スタート)を締結し、核軍縮を進めた。
【START I】(すたーとわん)
第一次戦略兵器削減条約 (START I)
1991年7月31日に米ソで署名された軍縮条約で、
・米ソ両国が配備する大陸間弾道ミサイル(ICBM)
・潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)
・核兵器を運搬可能な戦略爆撃機
の総数を、条約の発効から7年後にそれぞれ1600基(機)へ削減することを規定した。
- 配備される戦略核弾頭の総数を6000発に制限
- このうち、ICBM及びSLBMに装着される戦略核弾頭の総数を4900発までに制限
- ロシアが保有する「重ICBM」(破壊力が大きいICBMを指す。SS-18がこれに該当)の総数を1989年時点の308基から154基に削減
ソ連崩壊後、旧ソ連の戦略核はロシア・ウクライナ・ベラルーシ・カザフスタンの4カ国に分散する事になったが、1992年5月にリスボン議定書が調印され、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンの3カ国は領土内にある戦略核兵器を撤去しロシアに移送、旧ソ連の全戦略核を継承したロシアがSTART Iを履行することになった。
なお、リスボン議定書はロシアを除く3カ国が非核兵器国として核拡散防止条約(NPT)に参加することが条件とされていたが、ウクライナの条約批准とNPT条約加盟が難航し、START I発効の最終段階である当事国5カ国の批准書の交換は、2年以上のちの1994年12月になっている。
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