じょうあつ‐じょうりゅう〔ジヤウアツジヨウリウ〕【常圧蒸留】
常圧蒸留
【英】: atmospheric distillation
蒸留とは、原油など沸点の異なる物質の混合物を、その沸点差を利用して、単一物質あるいは一定の沸点範囲を持った留分に分別することをいい、原油を常圧下(通常 0.5 ~ 1.O kg/cm2 程度)で加熱(通常 300 ~ 360 ℃)し、蒸留によりガス、ガソリン、灯油、軽油、残油などの各留分に分別することを常圧蒸留という。この蒸留操作を行う装置を常圧蒸留装置と呼んでいる。石油精製の第一段階の装置であり、この装置の処理能力をもってその製油所の精製規模を表すほど代表的な装置である。また常圧蒸留装置は軽質留分から次々に分別(抜頭)していくことからトッピング(topping)あるいはトッパー(topper)とも呼ばれている。常圧蒸留により分別される各留分の沸点範囲は、石油製品の需給状況などによって、それぞれの得率を変えるため一定していないが、一般に次のとおりである。 軽質ガソリン留分:30 ~ 100 ℃、重質ガソリン留分:90 ~ 200 ℃、灯油留分:150 ~ 280 ℃、軽油留分:250 ~ 350 ℃、残油:300 ~ 320 ℃以上。常圧蒸留装置は、石油業法において特定設備として取り扱われ、150kL/日以上の処理能力の装置の新増設および改造は、すべて通商産業大臣の許可を必要とすることになっている。 |

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