島屋の番頭
- 弘化三年の頃なりとか、江戸某町の島屋といへる商家の番頭が、店の小僧に対して破倫の淫行ありしため一家に悶著起れりとの事あり。其事の虚実は不詳なれども、一時市中に喧伝されて俗謡も出来、島屋の番頭といふ語が鶏姦の代名詞となれりと云ふ。
- 島屋の番頭。鶏姦の隠語。天保十五年江戸小伝馬町島屋呉服店の番頭が店の小僧を鶏姦し小僧気絶せし為市井に喧伝され落首俗謡まであらはるるに至りかくて鶏姦の代名詞となれり。当時の落首判じ物に島屋番頭=大名五頭考。其の意は、堀田、土岐、丹羽、井伊、安部(ほつたときにはいいあんべい)なり。又、吾妻男一丁作「春雨衣」第二編序に「韓雲孟龍の島屋連(けつなかま)」とあり。
- 男興男の謂。三田村鳶魚氏の『瓦版のはやりうた』に詳し。尚ほ有耶無耶生の『島屋番頭釜掘伝』をも参照せよ。
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