後方支援(こうほうしえん)
日本の周辺で戦争などの緊急事態が発生したときに、自衛隊が後方地域でアメリカ軍の行動を支援すること。周辺事態法に定める「後方地域支援」を指す。
現に戦闘が行われている地域(戦闘地域)に対し、日本の領域と戦闘地域を除く日本周辺の公海やその上空のことを後方地域と呼ぶ。しかし、戦闘地域が拡大して後方地域に迫ってきた場合には、自衛隊の活動が武力行使と一体になるおそれがあるため、後方支援は中断しなければならない。
日本政府の憲法解釈によれば、どんなときでも集団的自衛権は行使できない。そのため、自衛隊を派遣しても、できることには制約があるわけだ。
周辺有事となれば、自衛隊は後方地域で物品や役務の提供を通じて、アメリカ軍の行動を支援する。自衛隊の後方支援には、給油、給水、食事、人や物品の輸送などがある。ただし、武器や弾薬の提供は含まれない。
テロ攻撃の報復としてアメリカが武力行使に踏み切る場合、日本の周辺有事とは言えないので、現行の周辺事態法は適用できない。そこで、新しく法律を作ることにより、自衛隊の後方支援活動の範囲を拡大し、アメリカに協力しようとしている。
(2001.09.21更新)
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