熊谷五右衛門(くまやごえもん 1795-1860)
熊谷家は藩政初期ごろ阿武郡から萩城下に移り、問屋、金融 製塩などを業とし、のちに長門萩藩御用達となった豪商である。現在残る明和5年(1763)に新築された屋敷は、主屋のほか離れ座敷、土蔵など10数棟からなる。
4代の熊谷五右衛門は長崎で、あの蘭医シーボルト(1796-1866)から足の病気の治療をうけることになり、同時に彼から西洋事情を吸収した。二人の親交は医師と患者以上のものだったのだろう。シーボルトが、自らの楽しみのために来日時に持参した1819年イギリス製のピアノが、帰国に際して熊谷家に贈られて現在に残された。これは、現存する日本最古のピアノであることから、シーボルトによって日本に持ち込まれた(1823年 文政6年)7月6日は、「ピアノの日」とされている。

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