桐紋雁金鍵透図鐔
桐紋・雁金・鍵透図鐔 無銘金山 室町時代 鉄地丸形地透角耳小肉 縦70.0ミリ 横69.5ミリ 切羽台厚さ4.6ミリ |
物に対し極限まで正確さを求める一方で、綺麗なだけではない無骨なもの、歪な物にも美を見出し愛着を感じる。 これは日本民族に特有の感性なのだろうか。時代のある鉄鐔を見るといつもこんなことを思う。桐紋、分銅、雁金、鍵を対称に配した、衒いの無い素直で力強い作である。長い年月を経て深みを増した錆色は表面に自然な光沢を宿し、鍛え上げられた耳には所々小粒の鉄骨が現れている。鉄鐔は見るだけでなく手で触れて触覚でも鑑賞できるところが良い。手は第二の目と言われる程繊細な感覚を持っているのだから。力強い槌音が聞こえてきそうな鉄の感触である。 |
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