きぬかずきとは? わかりやすく解説

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きぬ‐かずき〔‐かづき〕【被】

読み方:きぬかずき

平安時代ごろから、上流婦人外出するとき、顔を隠すために衣をかぶったこと。またその衣や、それをかぶった女性中世以降単衣(ひとえ)の小袖(こそで)を頭からかぶり、両手支えて持った。かずき。

「—を脱がせて、おもてをあらはにして」〈著聞集一二

(いわし)をいう女房詞


きぬかつぎ

(きぬかずき から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/04 02:57 UTC 版)

衣かつぎきぬかつぎ)は、サトイモの小芋を皮のまま蒸し、その皮を剥いて食べる秋の料理、酒肴。

名称

サトイモの1/3程度の位置に包丁でぐるりと切れ目を入れて蒸し、中央で皮をつまむと1/3だけを残して皮がするりと剥け、若いマツタケのような外観になる。この一部に皮のついた様子を、平安時代の女性の衣装「衣被ぎ」(きぬかづき)になぞらえて名付けたものである。後にきぬかづきが転じて「衣かつぎ」と呼ばれるようになり[1]、「絹かつぎ」と表記される場合もある。

また、石川早生(石川芋)という品種のサトイモの、特に秋口にのみ出回る子芋もきぬかつぎと呼ばれている。これは衣かつぎとして食べるのに最も適しているためである。

調理法

子芋を皮ごと蒸す、または茹でたものを、味噌などの調味料で味をつけて食する。加熱した後だと皮は容易に除いて食べられるが、剥き方のひとつに皮に包丁でぐるりと切れ込みを入れた後、中身を押し出して食べる方法が良く知られ、本来これだけを衣かつぎと呼ぶが、蒸しただけのものも指す場合がある。

名物料理

千葉県市川市

千葉県市川市にある中山法華経寺参道の茶店では、皮付きのサトイモを茹でたものが提供され、皮を剥いて塩や醤油を付けて食べる「きぬかつぎ」が名物となっている[2][3]

中国浙江省奉化市

中国浙江省寧波市奉化区は「奉化芋艿頭」(フォンホワ・ユーナイトウ)と呼ばれる大型のサトイモの産地であり、浙江料理のスープなどにもされるが、子芋を皮のまま茹でたり、蒸したり、焼いたりしてたべることも多い。寧波市周辺では「蝦醤」と呼ばれるシュリンプペーストに、醤油を少し加えたり、塩などを付けて食べることも多い。

脚注

  1. ^ 小林弘、『読む食辞苑 日本料理ことば尽くし』p228、1996年、東京、同文書院、ISBN 4-8103-0027-7
  2. ^ 中山法華経寺参道”. 散歩の達人 (2022年2月28日). 2025年3月4日閲覧。
  3. ^ 「下総中山・市川」『散歩の達人 駅からさんぽ東京』交通新聞社、2018年、150頁。ISBN 978-4330888187 


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