唐草桜紋図鐔
桃山時代鉄地木瓜形 縦;87.3ミリ横;83ミリ |
時代の遡る真鍮象嵌鐔の魅力は、強靭な趣のある鉄地の様子と、そこに嵌入された渋い色合いの真鍮地との調和によって生み出された素朴な風合いにほかならない。応仁鐔に始まる真鍮象嵌の鐔は、平安城象嵌によって装飾性が高められ、次の時代への架け橋となったともいえるが、室町時代後期から桃山時代にかけての文様表現と技術は、多くの工芸に影響を与えたのである。この鐔は、唐草文に桜花紋を交えた簡潔な文様を真鍮彫込象嵌とし、その独特の風情を鐔全面に滲み出させた作。桜花紋は肉高く丸く量感があって存在感を主張している。象嵌各部には一点の脱落もなく健全である。 |
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