あみだくじ弁護人選出問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 19:28 UTC 版)
「大牟田4人殺害事件」の記事における「あみだくじ弁護人選出問題」の解説
弁護人については当初4被告人ともに、それぞれ国選弁護人・私選弁護人が選任されたが、次男K4の弁護人が産休のために辞退した。 これに加え妻K2の私選弁護人も「やりたくない」と辞退したほか夫K1の弁護人も担当できなくなった。その結果、長男K3以外3被告人についてはいずれも弁護人が担当できない状態となった。部会所属の弁護士曰く、引き受け手が見つからなかった理由は「福岡拘置所が建て替え予定で遠隔地になることや、調書が膨大で手間がかかるため引き受け手が見つからなかったことだ」という。 そのため3被告人について地元の福岡県弁護士会筑後部会(部会長:高橋謙一)が部会の国選弁護人名簿に基づき依頼して回ったが、いずれにも断られてしまった。そのため高橋は苦肉の策として「公平を期する方法」と、新たに弁護人3人(被告人1人につき1人)をあみだくじで新たに選出した。 高橋は『朝日新聞』の取材に対し「これが初めてではなく10年ほど前にも1度(あみだくじでの選出を)やったことがある」と話した。あみだくじによる選出は2004年12月2日、部会事務局で実施し「当たった」3人がそのまま国選弁護人に選任された。 2004年12月11日あみだくじによる弁護人選出が判明し『読売新聞』・『朝日新聞』・『東京新聞』などで報道された。部会関係者は「被告人に最適な弁護人を決めるという意味ではまずいやり方だったかもしれない」と高橋は「部会としてのコメントはできない」とそれぞれ語った。 日本弁護士連合会(日弁連)刑事弁護センター委員長・佐藤太勝は「聞いたこともない選び方で適切な方法とは思えない。重大事件用の名簿がないなら刑事弁護の経験が豊富な人を協議で選ぶのが妥当ではないか」と話した。 部会は当時、従来の国選弁護人名簿とは別に重大事件用も名簿を作成中だったが、その名簿に登録予定だった中堅以上の弁護士を中心とした十数人があみだくじの対象になっていた。高橋は「準備中の名簿の並ぶ順もくじで決めるつもりで、それを前倒ししただけだ」と説明した。
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