『POENA DAMNI THE TRILOGY 』(英語版、三冊セット)
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「ディミトリス・リアコス」の記事における「『POENA DAMNI THE TRILOGY 』(英語版、三冊セット)」の解説
『POENA DAMNI THE TRILOGY 』は一般的なジャンルを超越しているため、分類するのが難しい。『Z213: Exit』は、逃亡したヒーローや、献身的な放浪者というようなギリシャ文学のカノンの要素の意味と関係の編み直し(re-contextualization)を試みており、詩と散文を取り混ぜつつも物語の形式を用いている。『With the People from the Bridge』になると登場人物や状況が劇的に表現され、その後『The First Death』では叙情的な詩によって、身体の解体や神格化が描かれるようになる。 個々が感じる世界と客観的に見た世界とが分岐する可能性がうまく描かれている。読者は、外的世界での出来事から発生するも結果的には主人公の心の表面に現れる考えや感情を映し出しているとされる不規則な内的独白を読む。一方で、どこだかわからない場所の設定と、次々と明らかになる夢のような出来事は、実質のあるものとして表現されていて、もう一つの現実を暗示している、もしくは世界の隠された一面を明らかにしている。そのような観点から、三部作に描かれた世界が、読者自身の内在化した世界を寄与することができるように、なにもないオープンな空間を与えるような、超虚構小説の一種として解釈されている。
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