『霊宝畢法』における陰陽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 04:01 UTC 版)
初期の内丹経典として知られている『霊宝畢法』は内丹の修練法が書かれている。その前段階に陰陽の気についての記述がみられる。 まず、体内の気の変化を天地自然の陰陽の変化に順応させて、体内の気が交合する環境を整える。その際、人の身体と天地が相似関係にあると考えられている。たとえば、体内の心臓と腎臓は天と地に、体内の陽の気は「気」、陰の気は「液」と呼ぶ。「液」の名の由来は陽が陰に変化し、陰が陽に変化するさまを水が水蒸気に変化し、水蒸気が水に変化するさまに重ねたからだという。 天地自然の陰陽の変化として、一年の季節の変化がある。陰が極まって陽が萌す冬至、次第に陽が伸長していき極まった夏至、そこで陰が萌し、極まって冬至となる。このように自然の変化を陰陽の気の消長変化として捉え、それを人間の体内の「気」と「液」の変化と対応させている。 気が旺盛でないときは二度あり、一つは易の艮卦に象徴される立春、丑寅の刻で、もう一つは易の乾卦に象徴される立冬、戌亥の刻である。 二気を交わらせる段階では、午の刻に地にあたる腎から生じた「気」が上昇し、天にあたる心の「気」と融合することで陽が極まり、「液」が生じる。これが「真水」である。子の刻に心から生じた「液」が下降し、腎の「液」と融合して陰が極まって「気」が生じる。これが「真気」である。この二つが丹の材料となる二気とされている。
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