『シビュラの託宣』との関連
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「シビュラの書」の記事における「『シビュラの託宣』との関連」の解説
「シビュラの託宣」も参照 『シビュラの託宣』は『シビュラの書』の知名度にあやかってユダヤ教徒たちが作成し始めた偽書である。のちにはキリスト教徒たちも、それへの加筆や新たな託宣の作成を行なった。 そうして作成された『シビュラの託宣』は、1世紀後半のユダヤ人歴史家フラウィウス・ヨセフスや、2世紀のキリスト教の教父たちに引用されてきた。その中には、176年頃にマルクス・アウレリウスに献じた著作の中で、逐語的に現存する『シビュラの託宣』を引用したアテネのアテナゴラスも含まれる。彼はホメロスやヘシオドスといった他の古典的かつ異教的な作品を参照した長いくだりの中からそれを引用しつつ、『シビュラの託宣』はローマ帝国では広く知られていると述べた。 紀元前76年以降に再編集された『シビュラの書』は、当時まだローマの神殿に残っていた。それが5世紀はじめに失われた後に、『シビュラの託宣』が現在の形に整えられたのだろうと推測されている。しかし、その素材の多くがそれ以前から存在していたために、古代後期のキリスト教徒たちの間では『シビュラの書』と『シビュラの託宣』との混同が多く見られたのである。
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