『アップルトンのアメリカ人名事典』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 16:02 UTC 版)
「虚構記事」の記事における「『アップルトンのアメリカ人名事典』」の解説
1887年から1889年にかけて出版された全6巻の『アップルトンのアメリカ人名事典』は、アメリカ史上最初の本格的な人名事典として、研究者や学生に愛用されていた。しかし出版されてから30年後の1919年、植物学者のジョン・バーンハートがこの事典の信頼性に疑義を呈する論文を発表する。バーンハートはその論文で、この事典に記載されている何人かの植物学者が架空の人物である可能性を示唆した。これをきっかけに調査がはじまり、その結果、200以上の記事が実在しない人物に関するものだと判明した。その多くは、19世紀に新大陸を調査したとされるヨーロッパの架空の科学者だった。虚構記事を多数含むことが判明したのち、この事典は多くの図書館から撤去された。1968年にはゲイル・リサーチ・カンパニー (Gale Research Company) がこの事典を再版したが、この際にも虚構記事はそのままにされ、虚構記事を多数含むことを知らせる注意書きも付け加えられなかった。虚構記事を執筆した人物については知られていないが、恐らく原稿料を水増しするために記事をでっち上げたのだろうと推測されている。
※この「『アップルトンのアメリカ人名事典』」の解説は、「虚構記事」の解説の一部です。
「『アップルトンのアメリカ人名事典』」を含む「虚構記事」の記事については、「虚構記事」の概要を参照ください。
- 『アップルトンのアメリカ人名事典』のページへのリンク