「反論」の開始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/12 04:54 UTC 版)
客人は、このように「ソフィストの技術」を「詐欺師・いかさま師たちの技術」の中に位置づけて探索を進めていこうとすると、数多くの反論と困難が生じてくるということを指摘しつつ、ここで探求をやめて引き下がるべきか問う。テアイテトスは、少しでも手立てがあるのだとしたら、決して諦めてはならないと反対する。 客人は、それなら先のようなソフィストが反駁に用いる強力な言説に対して、自分たちがわずかでも「有利な地歩」を獲得できたなら、それで良しとしてくれるかと問うと、テアイテトスは同意する。 客人は、それではこれから自分たちは、自衛のために、自分の父なるパルメニデスの言説に抗い、「有らぬもの(非有)が、何らかの点で有る(有)」ということや、「有るもの(有)が、何らかの仕方で有らぬ(非有)」ということを立証していかねばならないが、そのことを以て、自分のことを「父親殺し」とは思わないでほしいこと、また、今までこうした議論に打ち負かされてきたと先程告白していながら、今態度を豹変させたかのように、それに再度挑もうとしていることを以て、自分を「気違いじみた男」と思わないでほしいとテアイテトスに頼みつつ、話を進める。
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