「ん」が日本語に現れる時期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 06:44 UTC 版)
「ん」という文字が広く使われるようになったのは室町時代頃とされるが、詳しい時期については分かっていない。『古事記』、『日本書紀』、『万葉集』には「ん」音を表記する文字(万葉仮名)は見当たらない。このことから古代日本語には「ん」音はなかったと推定され、中国から経典などが輸入されたときに同時に「ん」相当音も移入されたと考えられる。ただし当初は-nと-mを区別していたと考えられ、-mの影響は「さんみ」(三位)などの連声形に残っている。藤原定家の息子である藤原為家が嘉禎2年(1236年)に紀貫之(平安時代初期)の直筆本に従って書写した為家筆本『土佐日記』(大阪青山歴史文学博物館蔵、国宝)では、「ん」の字形で「む・う・も・ん」の音を示す単語に共通して用いられているが、一般には平安時代以降、撥音便化した助動詞「む、なむ、けむ、らむ」などについては、「ん」と読む場合も「む」がそのまま用いられた。
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