「ん」「せん」「へん」の接続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 06:14 UTC 版)
「名古屋弁」の記事における「「ん」「せん」「へん」の接続」の解説
五段活用 「書く」を例とすると、 書かん 書けせん 書かせん 書きゃせん 書けへん 書かへん 書きゃへん などの形が聞かれる。「書けせん」「書けへん」は「書くことができない」というような不可能を表す意味ではない。同様の活用は大阪弁にもみられるが、これらの地域以外の住民は特に注意が必要。不可能形については詳しくは下の「動詞の不可能形」で詳述する。また、「書かっせん」のように「っ」が入るのは「書かっせる」(「書く」に対する軽い尊敬語)の否定なので、これも注意が必要。 ラ行・ワ行五段活用 ラ行・ワ行五段活用動詞では、他の五段活用動詞よりもバリエーションが増える。すなわち、「ある」「思う」を例にすれば、あれせん あらせん ありゃせん あれへん あらへん 思わん 思えせん 思わせん 思やせん(思うゃせんでは発音できないのでこうなる) 思えへん 思わへん の他に、ああせん ああへん 思うせん 思うへん のように「語幹+長音+せん(へん)」の形がある。 ただし、2音節の動詞の場合、「買う」「刈る」「沿う」「剃る」「言う」など、この形をとらないものが相当数ある。 上一段活用 「起きる」を例とすると、起きん 起きいせん 起きせん 起きやせん 起きいへん などである。 ただし、「見る」「寝る」など2音節の動詞では3番目の形がない(×見せん、寝せん/○見いせん、寝えせん)。 下一段活用 「負ける」を例とすると、負けん 負けえせん 負けせん 負けやせん 負けえへん などである。 来る こん こおせん こおへん きやせん きーせん などである。「連用形+やせん」という起源から考えると「こおせん」という形はおかしいが、年配の話者も含めてこの形が広く使われている。 する せん せえせん しいせん せやせん しやせん せえへん しいへん しん(若年層) などである。
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