μ = 2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/30 18:51 UTC 版)
μ = 2 のとき、区間 [0, 1] 全域に軌道が及ぶ。このとき、デバニー(英語版)の定義で μ = 2 のテント写像 fμ = 2 (x) はカオス的である。このときのリアプノフ指数 λ は、λ = ln μ より、 λ = ln 2 である。 このときのテント写像の軌道の非周期性は、確率的に全くランダムな非周期性と次のような繋がりを持つ。任意の x0 から始まる軌道 fnμ = 2 (x0) において、xn が左半分の区間 [0, 0.5] の値を取るときに記号"L"を割り当て、xn が右半分の区間 [0.5, 1] の値を取るときに記号"R"を割り当てれば、軌道は LRRLRLL... といったような L と R の記号列に変換できる。一方で、テント写像とは無関係に、コイントスのように全くランダムに L と R を選んでいくことで同じようなLR記号列を作成する。ランダムによる記号列にはありとあらゆる L と R の並びが考えられる。しかしこのとき、任意のランダムによる記号列とテント写像による記号列を一致させる初期値 x0 ∈ [0, 1] が一つ存在する。言い換えれば、適当な x0 を選ぶことで、テント写像はあらゆる並びのLR記号列を生み出すことができる。 また、テント写像 fμ =2 (x) は、パラメータ a = 4 のロジスティック写像 ga = 4 (y) と位相共役な関係にある。すなわち、h(x) ∘ fμ = 2(x) = ga = 4(y) ∘ h(x) を満たす同相写像 h(x) を取ることができ、それは h ( x ) = y = 1 − cos π x 2 {\displaystyle h(x)=y={\frac {1-\cos \pi x}{2}}} である。ここで ∘ は写像の合成を意味する。この位相共役性を利用して、ga = 4 のリアプノフ指数の値を解析的に得ることができる。1947年、スタニスワフ・ウラムとジョン・フォン・ノイマンは fμ = 2 と ga = 4 が位相共役であることを示し、ロジスティック写像 ga = 4 の軌道の乱雑さを明らかにした
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