PocketStation PocketStationの概要

PocketStation

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 13:41 UTC 版)

PocketStation
メーカー ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCE)
種別 携帯型ゲーム機
世代 第5世代
発売日 1999年1月23日
CPU RISC CPU ARM7T
対応メディア CD-ROM XA
対応ストレージ フラッシュメモリ
コントローラ入力 内蔵
外部接続 (メモリーカード互換)
売上台数 490万台(累計出荷台数)[1]
次世代ハードウェア PlayStation Portable
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開発

ビジネス用ではない個人用のPDAとして[2]、ゲーム面ではPlayStationと連携する携帯型ゲーム機として[3]開発され、周辺機器として販売された。

開発意図はプレイステーションで培ったソフトを携帯型ゲーム機でどのように共有していくかであり、開発時のイメージは任天堂のゲームボーイに近かった[3]

第三者からは開発当時人気を博していた『たまごっち』を意識したデザインと性能になっている[4]と評価されるが、開発担当者の岡本伸一はそれを否定している[3]

ボディカラーはホワイトとスケルトンの2色で、開発当初はどのようなゲームが本機に対応するか予想つかなかったため、無機質な色が選ばれた[3]

沿革

  • 1998年
  • 1999年1月23日 - 発売。
    PocketStation用ミニゲームが付属するPlayStation用ゲームソフト『どこでもいっしょ』がヒット。ゲーム内にポケット・ピープルと呼ばれる5種類のキャラクターが登場する。その中で「井上トロ」が女子高生を中心に好評を得ていた[7]。供給量の不足と重なり一時期は入手困難な状態となった[8]
  • 1999年2月11日
    PocketStationにも対応するソフトとして、『ファイナルファンタジーVIII』が発売。99年の対応ソフトの中で売上が1位となった。本編で使用するアイテムの収集など、様々な要素が盛り込まれている[7]
  • 1999年7月 - 累計販売個数が100万個突破。
  • 1999年10月 - 累計販売個数が200万個突破[7]
  • 2002年7月19日 - PocketStation生産終了[9]
  • 2013年12月3日 - PS Vitaアプリとして復活[8]
    PlayStation Vita用無料アプリ『PocketStation for PlayStation Vita』を配信することを11月5日に発表。このアプリを使うことでゲームアーカイブスで配信されているPocketStation対応ソフトをPS Vita上で楽しむことができるようになる。PocketStationがなくては動作しなかったためこれまでゲームアーカイブスで提供できなかった『どこでもいっしょ』も同日に配信開始となる[10]

ハードウェア

詳細は公式サイト[11]を参照。

CPU
PlayStation用メモリーカードとほぼ同じ大きさのボディに、32ビット RISC CPUを内蔵する。
画面
画面は32ドット四方の反射型モノクロ液晶ディスプレイで、PlayStationのロゴタイプがうっすらと浮かび上がっている。
操作系
操作ボタンは上・下・左・右の4つの方向ボタンと決定ボタンがひとつ付いているのみである。
通信
上部には赤外線通信ポートを搭載し、PocketStation同士での通信が可能となっている。一部のサード製PSソフトでは、任天堂のゲームボーイカラーやバンダイのワンダースワンと本機を介した赤外線通信ができるものがある。ワンダースワンのソフトの中にもWonderWaveと呼ばれる赤外線通信機能を本体に増設することで、本器とデータの送受信が可能となるソフトがある。「デジタルパートナー」などが代表的である[12]。注意点は2000年代までに生産されたテレビのリモコンなど、旧式の規格の赤外線発生装置にしか反応しない。
電源
電源としてコイン型リチウム電池を1個必要とする。使用環境にもよるが電池の消耗が早く、頻繁に交換する必要があった[8]ため、電池のフタのネジを外せるドライバーと予備の電池が収納できるポケットドライバーが発売されていた[8]

スペック

  • CPU:32ビット RISC CPU ARM7T
  • メモリ:SRAM 2キロバイトフラッシュメモリ 128キロバイト(PS1専用メモリーカード領域と兼用)
  • 画面:32×32ドット 反射型モノクロ液晶ディスプレイ
  • サウンド:小型スピーカー(10ビットPCM)
  • 通信:赤外線方式(双方向・IrDA準拠)
  • 電源:ボタン型電池(CR2032)×1
  • 付属品:ストラップ

発売モデル

発売当初は光沢のあるホワイトモデル (SCPH-4000) のみだったが、後にスケルトンボディのクリスタルモデル (SCPH-4000C) も発売された。また、『遊☆戯☆王 真デュエルモンスターズ 封印されし記憶』の限定版にはクリスタルブラック、『ときめきメモリアル2』の限定版にはクリアピンクのPocketStationが同梱された。


  1. ^ 約490万台を売り上げた「ポケステ」再び!? 謎の動画が緊急公開!”. GAME Watch. インプレス (2013年11月1日). 2019年5月12日閲覧。
  2. ^ a b プレイステーションのメモリーカードを発展させた超小型PDAを開発』(プレスリリース)ソニー・コンピュータエンタテインメント、1998年2月19日https://www.sie.com/content/dam/corporate/jp/corporate/release/pdf/980219.pdf2021年8月1日閲覧 
  3. ^ a b c d 岡本伸一(インタビュアー:西川ゆずこ)「開発者インタビュー『プレイステーションと連携して楽しむ携帯ゲーム機です。』」『ascii.jp』、1998年11月11日http://ascii.jp/elem/000/000/313/313620/2012年10月27日閲覧 
  4. ^ 株式会社QBQ編 『プレイステーションクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 9784865118346 p57
  5. ^ プレイステーションの楽しみをさらに広げるPocketStation12月23日に発売』(プレスリリース)ソニー・コンピュータエンタテインメント、1998年10月8日https://www.sie.com/content/dam/corporate/jp/corporate/release/pdf/981008_1.pdf2021年8月1日閲覧 
  6. ^ 超小型PDA「PocketStation」1月23日に発売延期』(プレスリリース)ソニー・コンピュータエンタテインメント、1998年12月9日https://www.sie.com/content/dam/corporate/jp/corporate/release/pdf/981209.pdf2021年8月1日閲覧 
  7. ^ a b c 『ファミ通 No.581』アスキー、2000年2月4日、189,190,191,頁。 
  8. ^ a b c d e M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、54ページ
  9. ^ 北村孝和 (2002年7月19日). “SCEI、ポケットステーションの生産を終了”. GAME Watch. インプレス. 2021年3月13日閲覧。
  10. ^ SCEJA、PS Vitaで動作するポケットステーションアプリを配信へ - 2013年11月5日 Cnet JAPAN
  11. ^ PocketStation”. ソニー・インタラクティブエンタテインメント. 2021年8月1日閲覧。
  12. ^ 電撃王』通巻107号、メディアワークス、2000年6月1日、155頁。 
  13. ^ 週刊ファミ通 No.515. 株式会社アスキー. (1998年10月30日). p. 10 


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