JR貨物EF510形電気機関車
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形態区分
0番台
先行量産機(1号機)
2002年1月に製作された[8]。既に実用段階にあった直流電気機関車EF210形の基本設計を踏襲したことから試作機とはされず、量産を前提とした仕様の「先行量産機」とされている。新鶴見機関区に配置され、各種試験に供された。2003年末に落成した量産2号機・3号機とともに2004年3月13日から日本海縦貫線で運用を開始した[2]。
外観においては、車体裾の白線の幅が広く運転室脇のJR (FREIGHT) のマークが車体中央部に寄っている。新製時の車体側面にはJRFのロゴマークのみが描かれていたが、このロゴマークは2020年(令和2年)の全般検査によって消去されており、現在はロゴが描かれていないシンプルな車体外観になっている。
量産機(2 - 23号機)
2003年より製作された。先行量産機の運用成果を基に、各部に改良が見られる。
車体裾の白線は幅が狭く、車体側面にはJRFのロゴマークのほか、"RED THUNDER"のロゴマークが描かれている。なお、2020年(令和3年)11月以降は3号機を皮切りに、全般検査に応じてJRFロゴマークが消去されている。
2012年度落成機である21号機以降は、信号炎管が運転台助士側直上に移設され、後部標識灯のLED化がなされている[15]。
500番台
JR東日本の夜行寝台列車「北斗星」「カシオペア」牽引機の更新のために、2009年から15両製作された。
0番台を基本にATS-P・ATS-Psとデジタル無線およびブレーキ設定器に尾久 - 上野間での客車推進運転用のスイッチを設置し、東北本線黒磯駅の交直セクションを通過するための自動列車選別装置も装備していた。
0番台20号機までと比べて信号炎管が運転台助士側直上に移設、後部標識灯のLED化がなされており、500番台落成後に発注された21号機以降もこの変更に倣っている[15]。
501 - 508・511 - 515号機は24系客車に準じた青い車体に流星をあしらい金色の帯を巻いた「北斗星」色、2010年(平成22年)に製作された509[16]・510号機[17]は、E26系客車に準じたシルバーメタリックの車体に流星と五本帯を入れた「カシオペア」色で落成した。
2011年(平成23年)5月20日、東日本大震災で運転を中止していた「北斗星」「カシオペア」の運行再開にあたり、東北・上越・長野の各新幹線車両と同様の復興推進キャンペーンのステッカーを貼付した。
JR貨物売却による仕様変更
JR東日本の夜行寝台列車の全廃および貨物列車の受託解消に伴い、余剰となった501 - 508・511号機[18]をJR東日本から購入。2015年度から2016年度にかけて509・510・512 - 515号機を購入し[19]、JR東日本所属であった15両はすべてJR貨物へ売却された。外装は側面の流星マークと「EAST JAPAN RAILWAY COMPANY」のロゴが消され、東日本大震災復興キャンペーンのステッカーが外された以外は青地に金色のストライプもそのままで、車両番号の改変も行われていない[20]。なお「カシオペア」色で落成した509・510号機は上記に加えて前面の虹色ラインのステッカーも外されている。
0番台との共通化として、保安装置のうちATS-Pを撤去して貨物対応のATS-PFとATS-SFに変更された。また、黒磯通過用の自動列車選別装置の車上子撤去、AW-5空気笛の操作レバー撤去、制輪子とパンタグラフ擦り板を貨物仕様に変更する等が行われた[21]。
300番台
2021年(令和3年)3月31日発表の2021年度事業計画で「故障による輸送障害を未然に防止するため老朽車両の取替を計画的に進め、九州地区については取替後にEF510形式機関車を導入することから、九州用に仕様変更したEF510形式の走行試験を行う」との記載がされた[22]。
その後、同年10月15日発表のプレスリリースにて、九州仕様の番台区分を300番台とした[23][24]。車体色はシルバーを基調に、赤のアクセントラインと愛称のロゴが入り、ヘッドライトは白色LED式となった[25]。機器面では従来の発電ブレーキに加えて、交流回生ブレーキを追加する[25][注 2]。
先行車の301号機は川崎車両での報道公開を経て、2021年12月に納車されており、2023年3月に本格導入の予定[27][7]。2023年からの数年で計17両の配備が予定されている[25][7]。
注釈
出典
- ^ 『JR貨物時刻表2022』鉄道貨物協会、2022年
- ^ a b 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』2004年7月号RAILWAY TOPICS「JR貨物EF510形日本海縦貫線で営業運転開始」p.98。
- ^ 寝台特急カシオペアをEF510-501がけん引(交友社鉄道ファンサイト)。
- ^ 『Rolling stock & Machinery』第11巻第3号、pp.4 - 8
- ^ a b 『Rolling stock & Machinery』第11巻第3号、p.4
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '03年版』ジェー・アール・アール、2003年7月1日、192頁。ISBN 4-88283-124-4。
- ^ a b c “愛称は「銀釜」JR貨物の新型電気機関車、川崎車両兵庫工場で開発、公開 九州エリアで運行予定”. 神戸新聞NEXT (2021年12月9日). 2021年12月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 『Rolling stock & Machinery』第11巻第3号、p.5
- ^ a b c d e 『Rolling stock & Machinery』第11巻第3号、p.6
- ^ a b 「EF510形式交直流電気機関車の主回路システム」 (PDF) 三菱電機技報 2004年12月号(2004年)、三菱電機
- ^ a b c d e 『Rolling stock & Machinery』第11巻第3号、p.7
- ^ a b c d e 『Rolling stock & Machinery』第11巻第3号、p.8
- ^ a b 菅野 崇 「JR貨物 EF510形」 - 『年鑑2003年版』 II - 1. 25 pp.96 - 98
- ^ 『鉄道ジャーナル』2012年7月号、鉄道ジャーナル社、2012年、p.31
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』2014年2月号、鉄道ジャーナルル社、2014年、p.55
- ^ 【JR貨+JR東】〈カシオペア〉色EF510-509 甲種輸送 ネコ・パブリッシング『鉄道ホビダス』 RMニュース、2010年7月5日
- ^ 「EF510-510が甲種輸送される」 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2010年7月16日
- ^ 『JR貨物時刻表』2014年 機関車配置表(2014年2月15日現在) - 鉄道貨物協会
- ^ 『JR貨物時刻表』2016年 機関車配置表 - 鉄道貨物協会
- ^ JR貨物機仕様となったEF510-511が姿を現す - ネコ・パブリッシング『鉄道ホビダス RMニュース:2013年9月25日
- ^ 『鉄道ファン』2015年2月号、交友社、2015年
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- ^ 九州向けEF510形式交直流電気機関車「ECO-POWER レッドサンダー」の製作について - JR貨物 2021年10月15日アーカイブ 2021年10月15日 - ウェイバックマシン
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- ^ 『JR貨物時刻表2017』鉄道貨物協会、2017年
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- ^ 『レイルマガジン』通巻298号、p.26
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- ^ 鉄道ファン (雑誌) (2016年4月1日). “カシオペアカラーのEF510形2両が高崎へ”. railf.jp(鉄道ニュース) (交友社) 2016年5月30日閲覧。
- ^ 鉄道ファン (雑誌) (2016年4月4日). “EF510-509+EF510-510が富山へ”. 交友社. 2016年4月8日閲覧。
固有名詞の分類
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