CardWirth メディアの動き

CardWirth

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 15:18 UTC 版)

メディアの動き

CardWirthがここまで有名になったのは、1999年から2000年頃にかけてフリーウェアを掲載する書籍ウェブサイトなどで大なり小なり紹介されたことに起因する。

ここでは、現在に至るまでの間に特に目立った動きについて取り上げる。

テックウィン(書籍)

株式会社アスキー(現エンターブレイン)の出版していた雑誌「テックウィン」において、過去に何度か数ページに渡っての特集が組まれたことがある。 また同誌ではそれ以外の号においてもほぼ毎回のようにCardWirth本体またはシナリオを掲載しており、この雑誌からCardWirthを知ったというユーザーも少なくなかった。

公式ガイドブック(書籍)

CardWirthはフリーウェアのゲームとしては珍しく、2000年5月に公式ガイドブックがムック形式で発売されている(「I/O別冊 カードワース公式ガイドブック」ISBN 978-4-87593-832-3)。発行元は工学社

ゲーム本体およびエディタ、CardWirthの世界観(今で言うところの「ファンタジーI型」について)の紹介はもちろん、groupAskの制作したシナリオ「教会の妖姫」を元にして描かれたオリジナル小説を掲載し、シナリオ作成講座の解説も行っている。

本書にはいくつかのシナリオも収録されているが、これは当初「Adventurer's GUILD」に公開されていたほぼすべてのシナリオを網羅する目玉企画となる予定であったとされている。 しかし実際には各シナリオ作者への収録許諾に関する手回しに不手際があったため、誌面で紹介されているシナリオですらいくつか収録できていない[6]

またこの不手際に関しては、工学社側の事務手続きが収録作品に対してシナリオ作者への許諾のみに終わり、シナリオで使用しているリソースの作者に対する問い合わせが不十分だったこと、さらにこの件における編集者からの回答に多くのユーザーが納得できなかったこともあって、一連の工学社側の対応を反面教師とする向きが後のCardWirthコミュニティでの著作権に関する意識向上のきっかけとなった[7]

なお、このガイドブックは工学社にもすでに在庫がなく、また流通している可能性もほぼ皆無であることから現在は入手が困難である。

enban.net(ウェブサイト)

2002年11月まで株式会社アスキーが運営していたエンターテインメントコンテンツの配信サイト「enban.net(エンバンネット)」において、有償(月額500円)コンテンツである「週刊ゲームズ」を通じて、CardWirthのシナリオが毎週配信されていた。 「週刊ゲームズ」は曜日毎に7種類のゲームを提供するという内容で、金曜日には「カードワースの森」というコンテンツが用意された。

現在、このサービスは終了しただけでなく、サイト自体も閉鎖しており、これらのコンテンツもそれとともに事実上入手できなくなっている。

groupAskでは「ユーザーは作成したシナリオを有料で配布しても構わない」としているが、実際に有料で配布されたシナリオはここでの他に例がない。これは過去にカードワースのシナリオをシェアウェアにすることについての是非が議論された際、反対意見が圧倒的多数を占めたことにもよる[8]

ベクター(ウェブサイト)

オンラインソフトウェアダウンロードなどを手がけている株式会社ベクターサイトでは、「RPG」のジャンル(「ダウンロード」>「Windows」>「ゲーム」>「RPG」)の一つとして「マルチシナリオRPG CardWirth」という項目が設けられている。

シナリオ作者が自作のCardWirthのシナリオを「Adventurer's GUILD」に登録するためには、自身が完成したファイルをインターネット上のどこかにアップロードする必要があったが、CardWirthが急速に普及した頃はまだそのような場が十分にはなく、またそもそも具体的にはどの様にすれば良いのか解らないというユーザーも多かった。そこでもっとも手軽な方法として、ベクターサイトに「フリーウェア」として登録するという手法が確立された。そのため、ベクターには別項目を用意しなければならないほど数多くのCardWirthシナリオが登録されている。

CardWirthParty(同人サークル)

インターネット上で参加者を募り、創作物を収録した作品集「CardWirthParty」を制作した。主にCardWirthのシナリオを題材としたイラストが収録されているが、アレンジ楽曲やオリジナルのシナリオが含まれることもある。8タイトルが制作され、1作目のみ有償で販売されたが、以降の作品は無料で頒布されている。また現在では全てのタイトルが先述のベクターよりダウンロードすることができる。

2008年12月のコミックマーケット75を最後に「同人イベントへの参加」の無期停止(実質終了)、また2010年10月には無期限の活動停止を公式サイトで発表した。しかし2012年8月のコミックマーケット82には参加しており、活動再開の可能性もある。

CardWirth Carnival(同人サークル)

2013年に同人サークルEGOTEXによってCardWirthPartyと同様に有志メンバーによって制作された「CardWirth Carnival! 01」が頒布された。続き同02~05までが2018年までに頒布されている。01、03についてはベクターでその一部コンテンツをダウンロードすることができる。


  1. ^ a b (参考資料:ファンサイト「CardWirth Anthology」のコンテンツ「CWエッセイ」第8回・第43回・第44回)
  2. ^ (出典:CWエッセイ第8回「~カードワースの夜明け~」)
  3. ^ (出展:「CardWirth Users'Network」1999年7月24日7時48分のアムリタの発言)
  4. ^ (出典:「CardWirthUsers'Network」2001年3月9日7時17分のmishikaの発言)
  5. ^ 2013年までの文献に留められていることに留意
  6. ^ (210本中131本・・・出展:「CardWirthUsers'Network」2000年4月26日18時57分のTELぅぇぃの発言)
  7. ^ (参考資料:「CardWirthUsers'Network」2000年5月12日 19時25分「6132」番)
  8. ^ (参考資料:「CardWirth Users'Network」2000年9月2日 1時12分「7854」番)






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