那須温泉郷 郷内の温泉

那須温泉郷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 08:52 UTC 版)

郷内の温泉

江戸時代までに鹿の湯(元湯)である那須湯本温泉のほか、板室温泉三斗小屋温泉、大丸温泉、北温泉、弁天温泉、高雄温泉が次々と発見され、これらが那須七湯と称されていた[4]。その後、明治時代に八幡温泉、大正時代に旭温泉、飯盛温泉、郭公温泉が発見され、さらに大丸温泉からの引湯により新那須温泉ができ、これらを総称して那須十二湯と呼ぶこともあった[4]

那須十二湯のうち板室温泉(那須塩原市)は那須町の各温泉からは地理的にやや離れていることから、那須町にある温泉を指して那須十一湯と呼んだ[4]。このうち郭公温泉、飯盛温泉、旭温泉については宿や温泉の設備が現存しておらず、那須湯本温泉、大丸温泉、弁天温泉、北温泉、八幡温泉、高雄温泉、三斗小屋温泉の7つで那須七湯、これに新那須温泉を加え那須八湯と呼ぶこともある[4][11]。なお、周辺の温泉地との関係では、那須温泉郷、塩原温泉郷、板室温泉郷に分けられることもある[12](塩原温泉郷については塩原温泉郷、板室温泉については板室温泉を参照)。

それぞれの温泉で効能・泉質が異なるため、湯めぐりが楽しめる。

那須湯本温泉

九尾の狐伝説で有名な殺生石近くにある温泉街。那須温泉郷で最も古く、温泉神社を中心に温泉街を形成している。 《北緯37度5分50.5秒 東経140度0分2.1秒 / 北緯37.097361度 東経140.000583度 / 37.097361; 140.000583 (那須湯本温泉)座標: 北緯37度5分50.5秒 東経140度0分2.1秒 / 北緯37.097361度 東経140.000583度 / 37.097361; 140.000583 (那須湯本温泉)

泉質
温泉街
那須温泉郷のシンボル的共同浴場鹿の湯」がある。
歴史
開湯伝説によれば、鹿が温泉で傷を癒しているところを発見したとされ、共同浴場の名前にその由来が残る。
江戸時代黒羽藩が管理し、また松尾芭蕉奥の細道の途中で那須湯本温泉に宿泊している。
1858年安政4年)に温泉街を流れる湯川左岸が氾濫して温泉街が壊滅し、現在の右岸高台側に移転した。

新那須温泉

1923年(大正12年)に大丸温泉の源泉からの引き湯に成功し、那須温泉の南に旅館が開業し、一帯が新那須温泉と呼ばれるようになった[13]

大丸温泉 (おおまるおんせん)

車で行ける那須温泉郷の温泉の中では最も奥まった標高の高い場所に位置する温泉。奥那須温泉とも呼ばれる。 《北緯37度7分22.6秒 東経139度59分4.1秒 / 北緯37.122944度 東経139.984472度 / 37.122944; 139.984472 (大丸温泉)

泉質
那須ロープウェイ山麓駅の少し下に、数件の宿がある。小川をせき止めた露天風呂「川の湯」がある。明治時代の軍人乃木希典夫妻がよく訪れた宿がある。那須御用邸に注ぐ湯の元湯はこの付近に湧いているとされる。

弁天温泉

大丸温泉と湯本温泉の間にある1軒宿。湯量も豊富。 《北緯37度7分14.4秒 東経139度59分6.3秒 / 北緯37.120667度 東経139.985083度 / 37.120667; 139.985083 (弁天温泉)

泉質
  • 単純泉

北温泉

別名天狗温泉と呼ばれ、温泉のいたるところに天狗の面が飾られている。駐車場に車を停め、遊歩道を歩いて渓谷を下りた位置にある温泉。温泉と駐車場が離れているのは、先代が車の排気による景観破壊を懸念したためという。湯量も豊富で、プールのように大きな露天風呂がある。映画テルマエ・ロマエ』ではロケ地ともなった。 《北緯37度7分26.5秒 東経139度59分47.4秒 / 北緯37.124028度 東経139.996500度 / 37.124028; 139.996500 (北温泉)

泉質
温泉地
余笹川の谷合深くひっそりと建っている一軒宿である。建物傍まで車では行くことができず、バス停から徒歩30分、県営の無料駐車場からも5分程深い谷と絶景を見ながら歩くことになる。
木造3階建ての建物は江戸時代、明治時代、昭和の建物が渾然と一体となってレトロな雰囲気を醸し出している。
歴史
江戸時代から続く湯治場であり、第二次世界大戦前後には多くの兵士が訪れており、写真や勲章が飾られている。

八幡温泉

毎年5月中旬から6月上旬にかけ、20万本ものツツジ群生の眺望ができる温泉。 《北緯37度6分42.4秒 東経140度0分9.5秒 / 北緯37.111778度 東経140.002639度 / 37.111778; 140.002639 (八幡温泉)

泉質
  • 単純泉

高雄温泉

かつては廃業した旅館跡地に無料で入れる野湯が存在した。現在は別経営者によるホテルが営業している。他に宿泊施設一軒あり。 《北緯37度6分23.2秒 東経139度59分18.4秒 / 北緯37.106444度 東経139.988444度 / 37.106444; 139.988444 (高雄温泉)

泉質
宿泊施設

三斗小屋温泉 (さんどごやおんせん)

那須ロープウェイ山頂駅から茶臼山を越えた向こう側にあり、徒歩でしかたどり着けない。他の温泉からは離れた那須塩原市の山奥の飛び地にあり、旅館2軒。 《北緯37度8分17.4秒 東経139度56分45.6秒 / 北緯37.138167度 東経139.946000度 / 37.138167; 139.946000 (三斗小屋温泉)

泉質
  • 単純泉

  1. ^ 環境百科 那珂川”. 関東地方整備局. 2022年12月6日閲覧。
  2. ^ a b 塙静雄『とちぎの社寺散歩』(下野新聞社、2003年
  3. ^ 那須温泉神社 社伝
  4. ^ a b c d e 那須町の魅力”. 那須町. 2022年12月6日閲覧。
  5. ^ 『日本三代実録』貞観五年十月七日 丙寅の条
  6. ^ 『日本三代実録』貞観十一年二月二十八日 丙辰の条
  7. ^ 正倉院文書「駿河国正税帳」
  8. ^ 『平家物語』巻第十 四「那須与一」
  9. ^ 「大日本温泉一覧 廿世紀見立改正新版」(明治四十一年、片田長次郎印刷、東京日本橋区馬喰町四丁目拾番地)
  10. ^ 「諸国温泉功能鑑」(墨屋小兵衛、烏丸通松原下町)
  11. ^ 那須温泉旅館協同組合 温泉と歴史
  12. ^ 那須野ヶ原の地域活性化に向けて”. 水素エネルギーシステム Vo1.37,No.4 (2012). 2022年12月6日閲覧。
  13. ^ 新那須温泉”. 那須町観光協会. 2022年12月6日閲覧。






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