国頭村
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 17:10 UTC 版)
地理
沖縄本島最北端の自治体であり、名護市から北東に約30kmの位置に村役場がある。また、村域の95%が森林で、貴重なヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネなどの動物が生息している。しかし人為的に移入されたノネコやジャワマングースによる野生生物の捕食および生息数の減少が問題となっている。
山地が海岸近くまでせまる地形で、各集落は河川の形成するごく狭い沖積平野に立地する。ただ、村の中心地・辺土名をはじめ、奥間・桃原・鏡地・半地の各地区は、赤丸岬を頂点とする陸繋砂州上にあり、国頭村内では例外的に広い平地が形成されている。村を縦断する国頭山地には、沖縄本島最高峰の与那覇岳 (503m) をはじめ、照首山・西銘岳・伊湯岳などが連なる。
沖縄本島の最北端に位置する辺戸岬と、鹿児島県に属する与論島は28kmしか離れていない為、晴れている時には与論島が望める。ただし、与論島は総じて平坦なため、与論島から辺戸岬を見た場合程には明瞭ではない。なお、村の面積の23%を、米国海兵隊の訓練場が占めている。森林セラピー基地認定。
気候
沖縄気象台のアメダスが村内の奥と比地の2ヶ所に設置されている(後者は降水量のみ)。過去には、与那覇岳にも設置されていた。
奥にあるアメダスは、沖縄本島では最も北に位置する観測点である。標高が232mと高いため、さらに北に位置する伊是名島や与論島等の気温よりも低くなる傾向があり、県内ニュースなどにおいて「国頭村奥で●°C、今季一番の冷え込み」等、冬場の最低気温の話題になることが多い。沖縄県ではめったにない1桁台の気温を毎年記録している。年の最低気温はほとんど1月から3月にかけて観測される。
- 1981年2月26日の最高気温8.4°Cは、沖縄県内の観測史上最も低い最高気温である。
- 2016年1月24日22時49分には最低気温3.1°Cを観測し、国頭村奥の観測史上最低気温を更新した[1][注 1]。
国頭村奥(奥地域気象観測所)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 25.3 (77.5) |
25.9 (78.6) |
28.5 (83.3) |
28.9 (84) |
31.0 (87.8) |
33.2 (91.8) |
34.2 (93.6) |
33.8 (92.8) |
33.6 (92.5) |
32.1 (89.8) |
28.4 (83.1) |
26.6 (79.9) |
34.2 (93.6) |
平均最高気温 °C (°F) | 17.4 (63.3) |
17.9 (64.2) |
19.8 (67.6) |
22.3 (72.1) |
25.1 (77.2) |
28.3 (82.9) |
30.5 (86.9) |
30.1 (86.2) |
28.8 (83.8) |
25.8 (78.4) |
22.6 (72.7) |
19.1 (66.4) |
24.0 (75.2) |
日平均気温 °C (°F) | 14.7 (58.5) |
14.9 (58.8) |
16.5 (61.7) |
19.0 (66.2) |
21.8 (71.2) |
25.0 (77) |
26.9 (80.4) |
26.7 (80.1) |
25.6 (78.1) |
23.1 (73.6) |
20.1 (68.2) |
16.5 (61.7) |
20.9 (69.6) |
平均最低気温 °C (°F) | 12.7 (54.9) |
12.7 (54.9) |
14.1 (57.4) |
16.5 (61.7) |
19.5 (67.1) |
22.9 (73.2) |
24.7 (76.5) |
24.7 (76.5) |
23.6 (74.5) |
21.3 (70.3) |
18.2 (64.8) |
14.6 (58.3) |
18.8 (65.8) |
最低気温記録 °C (°F) | 3.1 (37.6) |
4.8 (40.6) |
5.2 (41.4) |
10.8 (51.4) |
12.6 (54.7) |
15.7 (60.3) |
19.8 (67.6) |
20.3 (68.5) |
17.7 (63.9) |
15.1 (59.2) |
11.1 (52) |
7.2 (45) |
3.1 (37.6) |
降水量 mm (inch) | 143.9 (5.665) |
159.7 (6.287) |
194.6 (7.661) |
199.4 (7.85) |
281.8 (11.094) |
342.8 (13.496) |
199.6 (7.858) |
230.3 (9.067) |
271.5 (10.689) |
225.9 (8.894) |
189.5 (7.461) |
155.2 (6.11) |
2,594.1 (102.13) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 13.4 | 12.9 | 13.6 | 12.6 | 13.8 | 14.9 | 10.1 | 12.9 | 13.7 | 11.8 | 10.8 | 12.5 | 152.9 |
平均月間日照時間 | 77.6 | 82.8 | 113.0 | 126.9 | 145.0 | 170.7 | 245.1 | 218.6 | 167.5 | 130.2 | 94.0 | 79.8 | 1,651.1 |
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1977年-現在)[2][3] |
地域
- 安田(あだ) - 集落の東方約500mに安田ヶ島がある。
- 伊部(いぶ) - 安田の小字
- 安波(あは)
- 美作(ちゅらさく)-安波の小字
- 伊地(いじ)
- 宇嘉(うか)
- 宇良(うら)
- 奥(おく)
- 奥間(おくま)
- 我地(がじ)
- 鏡地(かがんじ)
- 宜名真(ぎなま)
- 佐手(さて)
- 謝敷(じゃしき)
- 楚洲(そす)
- 伊江(いえ) - 楚洲の小字
- 桃原(とうばる)
- 浜(はま)
- 半地(はんじ)
- 比地 (ひじ)
- 辺戸(へど)
- 辺野喜(べのき)
- 辺土名(へんとな)
- 与那(よな)
また、伊地地区の北(赤崎付近)に昭和期まで田名(だな)、楚洲地区の西方・西銘岳 (420.1m) 中腹に大正期まで横芭(よこば)という集落があったが、いずれも廃村となった。
隣接している自治体
人口
国頭村と全国の年齢別人口分布(2005年) | 国頭村の年齢・男女別人口分布(2005年) | ||
■紫色 ― 国頭村
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | ||
国頭村(に相当する地域)の人口の推移 | |||
総務省統計局 国勢調査より |
注釈
出典
- ^ 奥 2016年1月(日ごとの値) 詳細(降水量・気温)
- ^ “平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2023年9月閲覧。
- ^ “観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2023年9月閲覧。
- ^ “沖縄の青い海が戻ってきた! 漁港の軽石、約600立方メートルの除去に成功”. 沖縄タイムスプラス (2021年11月2日). 2021年11月12日閲覧。
- ^ “村勢要覧”. 国頭村. 2021年9月17日閲覧。
- ^ “沖縄県の港湾一覧(沖縄の海洋情報 第十一管区海上保安本部内)”. 2023年1月12日閲覧。
- ^ 国頭消防管内 Archived 2013年3月13日, at the Wayback Machine. NPO法人MESHサポート2011年9月27日現在
固有名詞の分類
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