レベッカ (バンド) 略歴

レベッカ (バンド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/01 01:05 UTC 版)

略歴

結成・デビュー

1982年2月、ギターの木暮武彦(シャケ)がリーダーとなり、埼玉県内のアマチュアミュージシャンが集まり結成。バンド名は木暮がケイト・ダグラス・ウィギンの小説『黒い瞳の少女レベッカ』(原題:Rebecca of Sunnybrook Farm)から引用した。前身のバンドは男性ボーカルだったが、バンド「DOLL」のボーカルだったNOKKO(ベースの山田貢司の妹)が加入する。同年7月、木暮とNOKKOがデモテープを売り込もうとロサンゼルスへ渡り、バンドは活動停止となる。ふたりは夢を叶えられず帰国し、1983年1月、ベースの高橋教之が加入しバンドは再始動する。

1983年8月、CBS・ソニーFITZBEATレーベルのオーディションに合格し、キーボードの土橋安騎夫が加入。1984年4月21日、シングル「ウェラム・ボートクラブ」でデビュー。ライブハウスを中心に徐々にファンを増やしていくが、レコードセールスでは苦戦する。

転機

1985年1月、音楽的方向性の違いから木暮とドラムスの小沼達也が脱退[注 1]。バンド発起人かつ作曲者でもあった木暮の事実上の追放により存続の危機を迎えるが、ギターの古賀森男とドラムの小田原豊が加入し、土橋を新リーダーとして再出発した。土橋がサウンドプロデュースを担い、それまでのロック路線からシンセポップ路線にシフト。シンディ・ローパーマドンナなど同時代の海外女性シンガーのスタイルを取り入れつつ、NOKKOの溌溂とした歌声やダンスティーンエイジャーの少女心理を織り込んだ歌詞を前面に押し出した。

なお、脱退した2人は田所豊(DIAMOND☆YUKAI)、小川清史と新バンドを結成したが、木暮が因縁のある「レベッカ」の名を使い続けようとしたため、一時的に2組の「レベッカ」というバンドが存在した[6]。その後、「レベッカ♂」を経て、木暮の「どうしても“R”から始まるバンド名にしたかった」という理由で「RED WARRIORS」に改名している。

ブレイクから解散へ

1985年4月、新体制での3枚目のシングル「ラブ イズ Cash」が初めてチャートインし、3枚目のアルバム『WILD & HONEY』はオリコン6位を記録。6月には日本青年館でワンマンコンサートを行う。10月放送開始のテレビドラマ『ハーフポテトな俺たち』でレベッカの楽曲が使用され、OP・EDテーマを収録したシングル「フレンズ/ガールズ ブラボー!」がオリコン3位(30万枚)の大ヒット。1985年11月発売の4枚目のオリジナルアルバム『REBECCA IV 〜Maybe Tomorrow〜』がオリコン1位を獲得し、当時の国内ロックアルバムとして異例のミリオンセラー(累計130万枚超え)を記録する。

その後も「RASPBERRY DREAM」「MONOTONE BOY」「MOON」などヒットシングルを連発し、『REBECCA IV』以降のアルバムはすべて80万枚以上のセールスを達成[3]リミックスアルバムもチャート1位を獲得した。1988年には6枚目のオリジナル・アルバム『Poison』で、第2回日本ゴールドディスク大賞・アーティスト・オブ・ザ・イヤー(邦楽部門)を受賞した[7]。コンサートでは日本武道館6日間(1987年1-2月)、横須賀港での5万人野外コンサート『REBECCA FROM THE FAR EAST』(1987年8月)、コンサートツアー『BLOND SAURUS』の東京ドーム公演(1989年7月)など大規模イベントを成功させた。しかし、超多忙なスケジュールが創作に影響するようになり、一度区切りをつけるべきという決断に至り[8]1990年1月に行われたコンサートツアー『BLOND SAURUSの逆襲』の日本武道館公演を最後に活動を休止。翌年の1991年2月14日に解散した。

レベッカの解散後、高橋、小田原、サポート・ギターの是永巧一の3人と宮原学、宮原のプロデューサー&バックバンドの柴田俊文の5人で結成したバンド「BABY'S BREATH」は、当初「宮原学&レベッカ・ユニット」と名乗っていた。

再結成

その後、メンバーはソロ活動に入るが、1995年5月、阪神・淡路大震災の復興支援を目的として2日間限定の再結成ライブを横浜アリーナで開催した[注 2]。さらに、1999年5月にはドラマ主題歌として「フレンズ 〜remixed edition〜」をリリースし[注 3]2000年6月には12年ぶりのオリジナル・シングル「神様と仲なおり/HELLO TEENAGE」をリリースした。この際はライブを行わず、活動を終了するコメントも無く自然消滅のような形で終息した。

2015年4月21日、再結成ライブ「Yesterday, Today, Maybe Tomorrow」を横浜アリーナで8月12日13日に開催することを発表し、同時に公式サイトも開設された[9]。NOKKOは再結成に踏み切った理由について「封印していたレベッカの楽曲群を改めて聴いて新鮮さを感じた」ためであると語っている。ベースの高橋教之は音楽活動を止めており、会社員としての休暇を使っての参加となる。11月29日にはさいたまスーパーアリーナでの追加公演も決定[10]。同年12月31日には「第66回NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。

2017年初春よりUNIVERSAL MUSICと契約を結び、2017年7月から9月にかけて、およそ28年半振りとなる全国ツアー「REBECCA LIVE TOUR 2017」を開催した[11][12]。同ツアーの日本武道館公演の模様はDVD/Blu-rayとして発売された[13]。また、同年11月1日には17年ぶり[注 4] のオリジナルシングル『恋に堕ちたら』をリリースした[14]


注釈

  1. ^ 木暮は「ロックに拘らずポップな曲をやれ」という意見に反発し、ディレクターと喧嘩してクビになったと話している[5]
  2. ^ 当初は、5月26日の「ONE NIGHT」だけ行われる予定だったが、好評のため28日に「ONE MORE NIGHT」として追加公演が行われた
  3. ^ NOKKO(「のっこ」名義)は同ドラマの挿入歌として「フレンズ」をセルフカバーした。
  4. ^ 2002年にリリースされた『Raspberry Dream/Tatoo Girl』はカウントされない。
  5. ^ 当初は正式なギタリストとして1986年に加入したが翌年2月に脱退した為、後にサポートとされている。ライヴのみでレコーディングには一切参加していない。
  6. ^ a b c TIME』のレコーディングのみ
  7. ^ 2017年ツアーのみ
  8. ^ 2010年再発時も2004年デジタルリマスター音源がそのまま使用されている。

出典

  1. ^ Martin, Ian. Rebecca | Biography & History - オールミュージック. 2020年12月25日閲覧。
  2. ^ 馬飼野元宏 (2018年11月15日). “1985年11月15日、レベッカ『REBECCAⅣ~Maybe Tomorrow』がオリコン・アルバム・チャート1位を獲得”. 大人のミュージックカレンダー. 2018-1-閲覧。
  3. ^ a b 市川哲史 (2015年8月30日). “レベッカが“国産ロック”にもたらしたもの 市川哲史が再結成ライブから振り返る”. Real Sound. 2019年1月4日閲覧。
  4. ^ 帆苅竜太郎 (2015年1月21日). “レベッカの大傑作、世界的ガールポップの潮流を見事にバンドサウンドに注入した『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』”. OKMusic. 2019年1月3日閲覧。
  5. ^ ミュージシャンボイス 第1回 木暮"shake"武彦 井桁学のギターワークショップ(2001年)。
  6. ^ “ユカイ版とNOKKO版「2つのレベッカ」”. 東スポWeb (東京スポーツ). (2017年11月26日). オリジナルの2019年1月6日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190106010454/https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/838486/ 2019年1月5日閲覧。 
  7. ^ 第2回日本ゴールドディスク大賞 / Gold Disc Hall of Fame 2nd
  8. ^ “NOKKO「音楽が戻ってきた」 レベッカ8月に再結成”. 朝日新聞デジタル. (2015年4月21日). https://www.asahi.com/articles/ASH4M6J96H4MUEHF00B.html 2019年1月3日閲覧。 
  9. ^ レベッカ、8月に20年ぶり再結成ライブ 横浜アリーナ2days”. ORICON (2015年4月21日). 2015年4月21日閲覧。
  10. ^ REBECCA再結成ライブ追加公演はSSAで”. 音楽ナタリー (2015年6月29日). 2015年6月29日閲覧。
  11. ^ REBECCA約28年ぶりのライブツアー開催、ファイナルは日本武道館”. ナタリー. 2017年4月21日閲覧。
  12. ^ 特設サイト(2017年版)
  13. ^ REBECCA、28年ぶり全国ツアーファイナルの武道館公演を映像化”. ナタリー. 2017年10月26日閲覧。
  14. ^ REBECCAが17年ぶりシングルリリース、日本武道館ライブ音源も収録。”. ナタリー. 2017年8月30日閲覧。
  15. ^ PROFILE | REBECCA(レベッカ)
  16. ^ “【エンタがビタミン♪】千秋、レベッカ再結成ライブで涙。「やっぱり私はNOKKOになりたかった」”. テックインサイト. (2015年8月17日). http://japan.techinsight.jp/2015/08/chiaki_itou_warase_nokko1508171657.html 2019年1月6日閲覧。 
  17. ^ a b LoppiHMVHMV ONLINE 限定発売。
  18. ^ a b ハーフポテトな俺たち”. テレビドラマデータベース. 2023年1月24日閲覧。
  19. ^ リップスティック”. テレビドラマデータベース. 2023年1月24日閲覧。
  20. ^ 恋する日曜日 LOVE ON SUNDAY(1)(第23回)丘をこえて”. テレビドラマデータベース. 2023年1月24日閲覧。
  21. ^ REBECCA(レベッカ)”. MBSテレビ. 2017年7月22日閲覧。





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