ランバ (まとい布)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/23 02:16 UTC 版)
種類
ランバの種類は多様である。ランバをまとう意図によって呼び名が変わり、地方ごとに呼び名も異なる。以下にいくつかの特徴的なランバの種類を挙げて説明するが、ここに挙げたもの以外にもさらに多くの種類のランバがあることに注意されたい。
- Lambahoany
- ランバフアニは、もっともよく着用されているタイプのランバであり、木綿のプリント生地で作られている。伝統的には、中央に日常の田園風景か何かをあしらい、その周りを縞模様のパターンで取り囲む。縞地の中央にマダガスカルのことわざや格言( hainteny, ohabolana )を入れることもある。この場合のランバは、東アフリカ一帯で着用されるカンガと同じものである。ランバフアニの用途は多岐にわたり、衣服としての利用はもちろん、軽い毛布やシーツ代わりに使ってもよい。母親が、両手を自由に使えるように、子供を包んで背中におんぶするために使うこともある。エプロンや荷物を運ぶための袋、テーブルクロスや日除けにもなる。固く巻いて輪を作れば、頭の上に重いものを乗せて運ぶときのクッションとなる[3]。
- Lamba akotofahana
- ランバ・アクトゥファハナは、複雑な幾何学文様が特徴の、絹織りのランバである。
- Lamba mpanjaka
- ランバ・ムパンザカは、富貴な人物や老人が伝統的にきる儀礼用のランバである。
- Lambamena
- ランバメナは、「赤いランバ」を意味し、もとは生成りの絹糸で編んだランバであった。用途はいわゆる経帷子である。数年おきに行われる先祖供養の祭り「ファマディハナ」に際し、墓所から取り出した先祖の遺体をくるむのに使う。新しいランバメナが巻かれた先祖の遺体は村をパレードし、死者と生者のきずなが再確認された後、再埋葬される。[11][12][13]
- Lamba arindrano
- ランバ・アリンヂャヌは、絹と木綿をブレンドさせた伝統的なランバである。
- Jabo-landy
- ザブ=ランディは、絹とラフィア椰子の繊維をブレンドさせた伝統的なランバである。
- Laimasaka
- ライマサカは、サカラヴァ人の伝統的なランバで、ラフィア椰子の繊維で作る[14]。イカット染めの幾何学文様の装飾がなされることが普通で、しばしば経帷子として用いられる。
- Salaka
- サラカは、ふんどしとして用いるランバであり、幅30cm、長さ300cmのサイズである[4]。
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- ^ Tortora, P.G. & Merkel, R.S. (1996).
- ^ Turner, J. (Ed.). (1996).
- ^ a b Green, R.L. (2003).
- ^ a b c d Mullen Kreamer, Christine and Fee, Sarah.
- ^ Gifts and Blessings: The Textile Arts of Madagascar.
- ^ Spring, C. (2010).
- ^ Silk Textile: Lamba Akotofahana British Museum.
- ^ One Million Wild Spiders from Madagascar Supplied Silk for Rare Textile.
- ^ "Recent Acquisitions: A Selection, 1998–1999," The Metropolitan Museum of Art Bulletin, v. 57, no. 2 (Fall, 1999).
- ^ Kusimba, Chapurukha; Odland, J. Claire; Bronson, Bennet (Eds).
- ^ “豊かな手工芸(駐日マダガスカル大使館)”. 2015年10月1日閲覧。
- ^ “伝統と儀式(駐日マダガスカル大使館)”. 2015年10月1日閲覧。
- ^ “Geography, History, culture - the Madagascar Embassy in US”. 2015年10月1日閲覧。
- ^ マダガスカルを知るための62章 2013, pp. 171-175.
- ^ Ranaivoson, D. (2007). 100 Mots pour comprendre Madagascar.
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