メグロ 生態

メグロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 03:41 UTC 版)

生態

常緑広葉樹林二次林に生息する[3][4][6]。ペアで生活するが、冬季には群れを形成することもある[4]

食性は雑食で、昆虫クモ果実ガジュマルパパイア)、花粉などを食べる[2][3][5]。英名honeyeaterは花粉を食べる事に由来する[2]。樹上でも地表でも採食を行う[5]。昆虫は林床を徘徊したり樹上にぶら下がって葉の裏にいるものを捕食するほか、木の幹の隙間にいるものを舌で捕えたりギンネムの鞘を嘴でこじ開けて中にいる獲物を捕食する[3]

繁殖形態は卵生。4-6月に地上1-10メートルの高さにある樹上にタコノキなどの繊維や羽毛、獣毛を組み合わせたお椀状の巣を作り、1回に2-4個の卵を産む[4][5][7]。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は10-14日[5]

人間との関係

開発による生息地の破壊などにより生息数は減少している[3][7]。基亜種ムコジマメグロは1930年以降の確実な発見例が無く、絶滅したと考えられている[7]1969年に国の天然記念物1977年に特別天然記念物、亜種ハハジマメグロが1993年種の保存法施行に伴い国内希少野生動植物種に指定されている[3]1969年における母島での生息数は3,000-4,000羽と推定されている[3][7]

  • A. f. familiare ムコジマメグロ

絶滅環境省レッドリスト[7]

  • A. f. hahasima ハハジマメグロ

絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト[7]

脚注


  1. ^ Apalopteron familiare (Bonin White-eye)”. International Union for Conservation of Nature and Natural Resources.. 2019年3月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社2008年、319頁。
  3. ^ a b c d e f g h i 加藤陸奥雄、沼田眞、渡辺景隆、畑正憲監修 『日本の天然記念物』、講談社1995年、679頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、104、206頁。
  5. ^ a b c d e f g 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥類III』、平凡社1986年、158-159頁。
  6. ^ a b c d e f g h i 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、540頁。
  7. ^ a b c d e f g h i j k 絶滅危惧種情報(動物)- ムコジマメグロ -”. 環境省 自然環境局 生物多様性センター. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月29日閲覧。, 絶滅危惧種情報(動物)- ハハジマメグロ -”. 環境省 自然環境局 生物多様性センター. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月29日閲覧。
  8. ^ Mark S. Springer; 樋口広芳, 上田恵介, Jason Minton, Charles G. Sibley (1995). “メグロがメジロ類の1種であることを示す分子生物学的証拠”. 山階鳥類研究所研究報告 (山階鳥類研究所) 27 (2): 66-77. doi:10.3312/jyio1952.27.66. 
  9. ^ 白黒ついた小笠原最後の固有種”. ナショナルジオグラフィック日本版 (2018年2月27日). 2019年3月10日閲覧。


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