ファロ (トランプ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/12 14:51 UTC 版)
「スペードの女王」とファロ
プーシキンのスペードの女王は、ファロの勝負が作品全体の主要なテーマである。
最初の夜には右に9が、左に3が出る。ヘルマンは3に賭けていて勝つ。次の夜には右にJが、左に7が出る。ヘルマンは7に賭けていて勝つ。3回目には右にQが、左にAが出る。ヘルマンはAに賭けていて勝ったはずだったが、実際に賭けていたのはQであったため、全財産を失う。
この作品に出てくるファロは、レイアウトに使うカードを全員が共有するのではなく、各人が1スート13枚のカードを持っていて、その中から賭ける1枚を裏向きに出すもので、アメリカと異なりヨーロッパではこの方法が主流だった。
作品中のキーワードである「3-7-A(1)」という数字の並び自体がファロから来ているとも考えられる。賭けにあたった場合、儲けは賭け金と同額(1倍)だが、元手に儲けを加えてさらに賭けることができ(このような賭け方をパロリ (paroli) という)、そこで再びあたったら儲けは最初の賭け金の3倍になる。同じことをもう一度繰り返せば7倍になる。つまり当たるたびに「1-3-7-」と増えていく。
その他の文学への影響
ファロの出てくる文学は多いが、日本ではファロになじみが少ないため、単に「カード賭博」などと翻訳されていることが多い。
- カサノヴァの「我が生涯の物語」にはファロに関する話が大量にある
- ホフマンの「賭事師の運」
- レールモントフの戯曲「仮面舞踏会」
- トルストイの「戦争と平和」では、ニコライがファロで43000ルーブリを失う。
- マスネーのオペラ「マノン」の第3幕第4場
- オッフェンバックのオペラ「ホフマン物語」の第4幕第1場
- プッチーニのオペラ「西部の娘」の第1幕
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- ^ Parlett (1992, 2004) p.149
- ^ Sur l'avantage du banquier au jeu de Pharon
- 1 ファロ (トランプ)とは
- 2 ファロ (トランプ)の概要
- 3 「スペードの女王」とファロ
- 4 参考文献
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