ファイナルファンタジーX-2 ファイナルファンタジーX-2の概要

ファイナルファンタジーX-2

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 17:43 UTC 版)

ファイナルファンタジーX-2
FINAL FANTASY X-2
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 PlayStation 2 [PS2]
PlayStation 3 [PS3]
PlayStation Vita [PS Vita]
PlayStation 4 [PS4]
Nintendo Switch
Xbox One
Microsoft WindowsSteam
開発元 スクウェア(PS2)
Virtuos(PS3・PS Vita・PS4・Win)
発売元 スクウェア(PS2)
スクウェア・エニックス(PS3・PS Vita・PS4・Win)
プロデューサー 北瀬佳範
ディレクター 鳥山求
シナリオ 野島一成
渡辺大祐
音楽 松枝賀子
江口貴勅
美術 天野喜孝
高井慎太郎
シリーズ ファイナルファンタジーシリーズ
人数 1人用
メディア DVD-ROM1枚
発売日 2003年3月13日
2004年2月19日(インターナショナル)
HD Remaster:
PS3、PS Vita
2013年12月26日
PS4
2015年5月14日
Microsoft Windows
2016年5月13日
Switch、Xbox One
2019年4月11日
対象年齢 CEROB(12才以上対象)(再発版)
ESRBT(13歳以上)
PEGI12
USK12(12歳未満提供禁止)
ACB:M
コンテンツ
アイコン
セクシャル
売上本数 PS2版:
550万本(2022年12月末時点)[1]
250万本(2022年12月末時点)[2]
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概要

ファイナルファンタジーX』の続編(ファイナルファンタジーシリーズでは初の続編作品)であり、日本としてはエニックス合併する前のスクウェア最後の作品であると同時に、エグゼクティブプロデューサーとして坂口博信が関わった最後の作品でもある。

2004年2月19日に『ファイナルファンタジーX-2 インターナショナル+ラストミッション』(FINAL FANTASY X-2 INTERNATIONAL+LAST MISSION)が合併後のスクウェア・エニックスより発売された。こちらではボイスだけでなく主題歌も英語化されている(日本語字幕付き)。それまでのインターナショナル版とは比べ物にならないほどのイベントの追加が行われた上に、更に本作の後のストーリーであるローグ風のRPGを収録した。

基本的に『FFX』と同等程度のCGであるが、メインのユウナリュック・パインはフェイシャルモーションが更に強化された。

本作の『ULTIMANIA』はデジキューブから発売されていたが、同社の破産により『ULTIMANIA Ω』はスクウェア・エニックスから発売された(2004年4月16日の『X-2インターナショナルULTIMANIA』発売に合わせ、ULTIMANIAも再発売されている)。

主題歌はエイベックス所属の歌手である倖田來未が担当しており、ダンスシーンのモーションアクターも兼任した。また、インターナショナル版の主題歌はJade from sweetboxが担当している。

2005年9月8日、オリジナル版が『アルティメットヒッツ ファイナルファンタジーX-2』として低価格化されて再発売[3]された。また、『FFX』とのセット『FFX/FFX-2 アルティメット ボックス』(FINAL FANTASY X/X-2 ULTIMATE BOX)もされた。

2007年1月25日、インターナショナル版が『アルティメットヒッツ ファイナルファンタジーX-2 インターナショナル+ラストミッション』として低価格化されて再発売[3]された。

各機種への移植略歴

2011年9月14日に行われたPlayStation Vita(PS VITA)の発表会で、PlayStation 3(PS3)ならびにPS VITA向けにHDリマスター移植されることが明らかになった[4]。HDリマスター版『ファイナルファンタジーX-2 HDリマスター』(FINAL FANTASY X-2 HD Remaster)はそれぞれのハードで2013年12月26日に前作の『ファイナルファンタジーX』とともに同時発売された[5]Nintendo Switch版およびXbox One版のHDリマスターも2019年4月11日に発売された[6]。PS VITA版以外は『ファイナルファンタジーX』とのバンドルファイナルファンタジーX|X-2 HDリマスター』(FINAL FANTASY X|X-2 HD Remaster)で販売されている。

システム

バトルシステム

バトルシステムは『FFX』のCTB(カウント・タイム・バトル)ではなく、従来のシリーズと同じATB(アクティブ・タイム・バトル)を採用している(ATB、CTBについてはファイナルファンタジーシリーズ#戦闘を参照)。ただし従来のATBとは異なり、魔法・アイテムなどのコマンドはコマンドの選択後、実行までに更にゲージが現れ一定の待機時間を要する。これは前作のCTB要素を併せ持つATBというテーマのために設定された要素である。また、待機時間はアイテムは短く、効果の高い魔法ほど長い。たとえばケアルやポーションなどの回復魔法・アイテムを選択しても、すぐに発動されるわけではなくしばらく待たなければならないため、発動する前に敵に攻撃されて戦闘不能状態となることもある。

パフォーマンス面としては、前作『X』で一部の戦闘においてのみ実装されていたキャラクターのリアルな影が、今作では全ての戦闘において実装されたことが挙げられる。また複数のキャラクターが同時に行動するため、過去の作品のATBに比べてリアルタイム性が増した一方、個々の行動が把握しづらい場合がある。

本作では、ゲームクリアのために倒さなくてはならない敵の難易度が低めに設定されており、ほぼ全てのボスに勝利できる戦術が存在する。その一方で、オーバーソウルすることによって敵の行動パターンが一変したり、敵が強くなったりする。また、特定ミッションの敵は逆に強くなっているなど、ヘビーユーザーにとっては歯ごたえのある戦闘が楽しめるようになっている。

オーバーソウルシステム
本作では、同じ種族の敵を設定された数だけ倒した後に、同じ種族の敵に出会った場合にオーバーソウルするようになった。オーバーソウルの条件を満たしている場合、戦闘中に同じ種族が2体以上いる場合は1体しかオーバーソウルしないが、発動した敵を無視して逃げても別の戦闘でオーバーソウルする敵は必ず出現し、倒さない限りカウントがリセットされない。
戦闘中でもオーバーソウルすることが可能で、オーバーソウル後はHPが全回復し、状態異常が解除された上で、パラメーターや行動パターンが一変されて、エフェクトも暗く光った状態に変化する。大半の敵はパラメーターが強化されるが、中には行動パターンが発動前とは全く別の行動をとるモンスターもいる。
種族によってはオーバーソウルの条件が異なっている。また、オーバーソウルしない敵(召喚獣など)もいる。
尚、聖ベベル宮地下では、ほぼすべてのオーバーソウル可能な敵が存在しており、条件さえ満たせば、戦わなくても出会うだけでコンプリートが可能となっている。

ドレスアップ

FFIII』や『FFV』などのジョブシステムに相当するものとして、「ドレスアップ」というシステムが採用された。従来における「ジョブ」は「ドレス」と呼ばれ、過去のファイナルファンタジーシリーズで登場したジョブをモチーフにしたドレスに加え、『FFX-2』独自のものも用意された。従来のジョブシステムと同様に、それぞれのドレスに対応した衣装の変化、コマンドやアビリティの獲得、能力値の変化などが起こる。従来との相違点としては、戦闘中にも職業を変更できることなどが挙げられる。ドレスアップを行うためには、後述の「ドレスフィア」と「リザルトプレート」が必要となる。またこのドレスアップの導入により、武器・防具の装備という概念はなくなった。ただし、特殊効果を付加する目的のアクセサリー装備は存在する。アクセサリーは2つまで装備が可能で、同じアクセサリーを2つ同時に装備することも可能である。

ドレスフィア

「ドレスフィア」は『FFX』から存在する「スフィア」の亜種であり、これによって各ドレスに対応した能力が得られる。初期状態で使用できるアビリティは限られているが、ドレスにはそれぞれ複数の追加アビリティが存在する。各アビリティには習得までのAP(アビリティ・ポイント)が定められており、敵を倒したりコマンドを実行したりする毎に着用中のドレスに対してAPが与えられる。

ドレスフィアはストーリーの進行に従って自動的に入手したり、アイテムとして拾得する。

ガンナー
ユウナの初期装備ドレスフィア。銃を用いた連射や範囲攻撃などをする。
シーフ
リュックの初期装備ドレスフィア。敵のアイテムや金(ギル)に加え、HPやMPなど様々なものを盗む。
戦士
パインの初期装備ドレスフィア。属性剣で攻撃し、ブレイク技で敵能力を低下させる。
歌姫
歌と踊りによる妨害や支援を行う。
黒魔道士
黒魔法による属性攻撃を行う。
白魔道士
白魔法による回復・支援を行う。
魔銃士
敵の特定の攻撃を受けると習得し、その攻撃を出せるようになる。また敵種族特効の攻撃を持つ。
アイテムシューター
2つのアイテムを合成し特殊効果を発揮したり、アイテムの効果を高めたり即座にアイテムを使用したりする。
ダークナイト
様々な異常耐性を持ち、自分の体力を消費して繰り出す範囲攻撃と、妖術(即死や石化などの魔法)を操る。
バーサーカー
高い体力とカウンター能力を持ち、特殊効果を持つ攻撃や操作不能になる代わりに攻撃力が上がるバーサークを使う。
サムライ
体力が減ると威力が上がる、敵の防御力を無視する、倒した敵の数に応じて威力が上がる、敵全体を即死させるなど特殊な攻撃を行う。
ギャンブラー
サイコロやスロットで攻撃力があがったり特殊効果を得たりする。
調教師
ペットを使い攻撃・補助・回復を行う。キャラごとにそのアビリティは異なる。
きぐるみ士
キャラごとにモチーフとなるモンスターが異なり、アビリティも異なる。入手条件が厳しく入手時期も遅い反面、基本能力が高く攻防を問わず多様なアビリティを持ちさらに他のドレスフィアの2つの能力も併用できる。
お祭り士
インターナショナル版、HDリマスター版にて追加。属性攻撃や状態異常攻撃を行う。キャラごとにアビリティが異なる。
サイキッカー
インターナショナル版、HDリマスター版にて追加。短時間無敵になる、属性ダメージを吸収する、敵の背後を取るなどトリッキーなアビリティを持つ。

リザルトプレート

ドレスアップを行うためには、戦闘前に「リザルトプレート」と呼ばれる石版にドレスフィアを装着しておく必要がある。リザルトプレートには2〜6個の穴があり、この穴にドレスフィアをはめ込む。そしてこのリザルトプレートを装備し、更にセットされドレスフィアの内の1つを選択することで、各ドレスの能力を得ることができる。またリザルトプレート装備時固有の付加効果も得られる。

リザルトプレートには穴と穴をつなぐ「ライン」が記されており、戦闘中はこのラインで繋がれた別のドレスに「着がえる」ことができる。更に、リザルトプレートのライン上には最大4色の「ゲート」が存在し、このゲートの存在するライン上を通過することで、その戦闘中に限り、各ゲートに対応する付加効果を得ることができる。複数のゲートを通過することで更に強力な効果を得られるプレートも存在する。

リザルトプレートは多種存在し、それぞれ固有の名称を持つ。各プレートは穴の数、ラインの形状、ゲートの数のほか、装備時やゲート通過時に得られる付加効果が異なる。また、リザルトプレートは複数のキャラクターで共有して装備することが可能。

スペシャルドレスフィア

3人のプレーヤーキャラクターがそれぞれ固有に持っているドレスフィア。単一バトル内でリザルトプレート上の全てのドレスに着替えると呼び出せる。それぞれ本体と2つの付属パーツで構成される。HPが比較的高く特殊攻撃を持ち、過去のシリーズの召喚獣に近い存在。ドレスフィアと同様にAPでアビリティが増える。ただし、発動した場合には一人でしか活動できない。

フロラフルル
ユウナ専用のスペシャルドレスフィア。付属パーツはライトキーパーとレフトキーパー。
マキナマズル
リュック専用のスペシャルドレスフィア。付属パーツはスマッシャーRとクラッシャーL。
斬騎王
パイン専用のスペシャルドレスフィア。付属パーツは右之翼と左之翼。

強くてニューゲーム

過去に『クロノ・トリガー』などで用いられた「強くてニューゲーム」がファイナルファンタジーシリーズでは初めて採用された。本作の「強くてニューゲーム」はクリア後のデータの一部を引き継いで新たにゲームを始められるシステムで、レベルや一部のアイテムなどをのぞく多くのアイテムやギル、アビリティなどをあらかじめ所持した状態でストーリーを進めることができる。

ミニゲーム

ストーリーを進めると、ブリッツボール、スフィアブレイク(コインを使ったボードゲームの一種)、ナギ平原での多数のミニゲーム、ビーカネル砂漠でのアイテム発掘など数々のミニゲームが遊べるが、どれも難易度が非常に高い。

コンプリート率

各イベントごとに値が設定されており、特定のセリフを聞くことで習得することができる。コンプリート率によってエンディングが異なり、エンディングの時点でコンプリート率が100%以上に達した場合のみ、本当のエンディングを見ることができる。強くてニューゲームで始めても稼いだデータを引き継げる代わりに、重複での取得はできないようになっている。

ムービースキップ

『FFVIIインター』(オープニングのみ)と『FFIX』では裏技として存在したもの。今回は、ムービー中にスタートボタンを押した時点で、スキップする方法が表示されるのでわかりやすくなった。スキップできないムービーもある。短時間クリアを目指すユーザーには朗報ではあったが、ムービー分のコンプリート率が入らないというペナルティも付加されている。


  1. ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、195頁。ISBN 978-4-902346-47-3 
  2. ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、187頁。ISBN 978-4-902346-47-3 
  3. ^ a b 廉価版は全てCEROレーティングB(12才以上対象)となっている。
  4. ^ oNo (2011年9月14日). “ローンチソフトは26タイトル。PlayStation Vitaの発売日は12月17日(土),3G版のキャリアはドコモに決定。「Z.O.E」「ファイナルファンタジーX」など注目作も発表されたSCEJプレスカンファレンス”. 4Gamer.net. 2011年9月20日閲覧。
  5. ^ 公式サイトより。尚、PS3版に限り『FFX』『FFX-2』のセットで発売された。
  6. ^ 『ワールド オブ FF』のパワーアップ版や『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズ新作が発売決定”. 電撃オンライン (2018年9月14日). 2018年9月14日閲覧。
  7. ^ 「FINAL FANTASY X-2 HD Remaster」のスクリーンショットが公開に。高解像度化したユウナ達がさらに美しく”. 4Gamer.net (2013年5月9日). 2022年1月2日閲覧。
  8. ^ a b 『FFX/X-2 HDリマスター』開発者インタビュー完全版”. ファミ通.com. KADOKAWA (2013年4月1日). 2013年4月2日閲覧。
  9. ^ “『ファイナルファンタジーX』HDバージョンがPS3とPS Vitaで発売決定【速報】”. ファミ通.com (KADOKAWA). (2011年9月14日). http://www.famitsu.com/news/201109/14050215.html 2013年3月23日閲覧。 
  10. ^ “PS3版『ファイナルファンタジーX HD』に『X-2』HD版が収録決定! キレイになった画面写真も公開【PAX East 2013】”. ファミ通.com (KADOKAWA). (2013年3月23日). http://www.famitsu.com/news/201303/23030609.html 2013年3月23日閲覧。 
  11. ^ 「FF X」シリーズをイメージした特製PS Vita本体の写真が公開。PS Vita「FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster」とのセット製品「RESOLUTION BOX」に同梱”. 4gamer.net (2013年10月10日). 2020年5月1日閲覧。
  12. ^ Switch/Xbox One版の発売日が決定! 『ファイナルファンタジーX/X-2 HDリマスター』は4月11日、『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』は4月25日に!”. ファミ通.com (2019年1月11日). 2019年1月11日閲覧。






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