ケニア 国民

ケニア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/06 08:48 UTC 版)

国民

伝統衣装をまとったマサイ族
モンバサのカトリック大聖堂

人口

2009年の国勢調査によると、ケニアの総人口は3,861万0,097人(男性:1,919万2,458人,女性:1,941万7,639人)である[19]。また、CIAワールドファクトブックによる推計では2014年7月時点の総人口は4,501万0,056人である[20]

民族

ケニアの主要な民族の人口は、以下の表の通りである。

ケニアの主要民族[19]
民族 人口 人口比(%)
1 キクユ 6,622,576 17.2
2 ルヒヤ英語版 5,338,666 13.8
3 カレンジン英語版 4,967,328 12.9
4 ルオ 4,044,440 10.5
5 カンバ 3,893,157 10.1
6 ソマリ 2,385,572 6.2
7 キシイ 2,205,669 5.7
8 ミジケンダ 1,960,574 5.1
9 メルー 1,658,108 4.3
10 トゥルカナ英語版 988,592 2.6

ケニアには全部で42の民族が存在していると言われるが、上表の通り上位5位までの民族でケニアの総人口の約3分の2を、上位10位まででその約9割を占めている。また、その他にアジア系ヨーロッパ人アラブ人などが少数存在する。ただしこれらの民族/部族区分はイギリスが植民地支配のために造り出したものであり、民族間の境界は存在しなかった[21]。人口比では少数派だが、イギリス系などの大土地所有者や、鉄道建設時に労働力を補いのちに商人としてやってきた「インド系(印僑)」も、政治経済に大きな影響力を保っている。

南部からタンザニア北部にかけて、遊牧民であるマサイ族も存在する。

言語

公用語・国語

2010年に制定された憲法では、ケニアの国語(National Language)はスワヒリ語公用語(Official Language)はスワヒリ語および英語と定められている。司法機関はスワヒリ語よりも英語を重視しており、国民感情にも同様の傾向がある[22]

民族語

ケニアには英語やスワヒリ語の他に60以上の言語が存在しており[23]、大きく分けてニジェール・コンゴ語族バンツー諸語ナイル・サハラ語族ナイル諸語アフロ・アジア語族クシ諸語がある。

シェン

シェン(Sheng)とは、1970年代以降に生まれたスワヒリ語や英語、いくつかの民族語の混合言語スラングであり、主に首都ナイロビで若者を中心として話されている。

婚姻

結婚時に改姓すること(夫婦同姓)もしないこと(夫婦別姓)も可能[24]

宗教

宗教は、キリスト教プロテスタントが47.7%、カトリック教徒が23.5%、その他のキリスト教徒が11.9%、ムスリムが11.2%、伝統宗教の信徒が1.7%、ヒンドゥー教徒が0.1%、その他が1.5%、無宗教が2.4%となっている[19]

教育

2010年の推計によれば、15歳以上の国民の識字率は87.4%(男性:90.6%、女性:84.2%)である[20]

ケニアの教育関連指標(2009年)[25]
純就学率(%) 教師一人当たりの生徒数 生徒一人当たり教育支出(%)[注釈 7]
男子 女子 合計
初等教育 82.3 83.2 82.8 46.8 22.3
中等教育 51.6 48.4 50.0 29.7 21.1
高等教育 4.7 3.3 4.0 - 273.6

主な高等教育機関としてナイロビ大学(1956、1970)の名が挙げられる。

保健

医療


注釈

  1. ^ 発音 [ʄɑmˈhuˑrijaˈkɛɲɑ]、ジャムリ・ヤ・ニャ
  2. ^ 発音: [rɪˈpʌb·lɪk əv ˈken.jə]、リブリック・オヴ・ンニャ
  3. ^ 大統領、上院議員(Senator)、カウンティの知事、国会議員などを選出。
  4. ^ County Governments Act No.17 of 2012
  5. ^ ルイヤ語はさらに14の言語に分類することができ、主なものとしてブクス語(約140万人)、ロゴーリ語英語版(約62万人)、イダホ=イスハ=ティリキ語英語版などがある。
  6. ^ カレンジン語は幾つかの言語をまとめた方言群であり、キプシギス語英語版(約190万人)、ナンディ語(約95万人)などを含む。
  7. ^ 一人当たりGDPに対する生徒一人当たり公共教育支出額の割合。初等・中等教育は2006年、高等教育は2004年の数値。

出典

  1. ^ a b UNdata”. 国連. 2021年10月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e [1](2021年10月17日閲覧)
  3. ^ アフリカで一番高い山はどこ? - アフリカ大陸最高峰”. www.tabi2ikitai.com. 2022年12月22日閲覧。
  4. ^ a b Kokusai jōhō daijiten : Pasupo = Paspo.. Gakushū Kenkyūsha, 学習研究社. (Shohan ed.). Tōkyō: Gakken. (1992). ISBN 4-05-106027-6. OCLC 31669709. https://www.worldcat.org/oclc/31669709 
  5. ^ ケニア選挙やり直しの英断、司法独立への期待に火 アフリカ初の無効判決、一躍国民のヒーローになった最高裁判事” (2017年9月7日). 2017年9月18日閲覧。
  6. ^ ケニア大統領選 副大統領「勝利」対立陣営、敗北認めず東京新聞』朝刊2022年8月17日国際面掲載の共同通信記事(2022年8月22日閲覧)
  7. ^ 「元首相、大統領選結果拒否 ケニア、法的措置も示唆」東京新聞 TOKYO Web 2022年8月16日配信の共同通信記事(2022年8月22日閲覧)
  8. ^ Expensive Tokyo embassy leads to Kenyan resignations RFI, 27/10/2010
  9. ^ 「在日ケニア大使館、不当に高い? 反汚職委が経緯調査」共同通信(2010年10月20日)
  10. ^ a b c 外務省 ケニア基礎データ
  11. ^ ケニアで地方分権が始まる。日本が支援する、分権実施に向けた人材育成もスタート”. 国際協力機構. 2014年10月24日閲覧。
  12. ^ World Development Indicators”. World Bank. 2014年10月11日閲覧。
  13. ^ a b Kenya Vision 2030”. Republic of Kenya. 2014年10月11日閲覧。
  14. ^ FAOSTAT”. Food and Agriculture Organization. 2014年10月11日閲覧。
  15. ^ 日本経済新聞』2013年12月19日【初歩からのアフリカ】ケニアの園芸産業に続け
  16. ^ 密猟ではなくアボカド…ケニアのゾウに新たな脅威”. AFP (2021年4月17日). 2021年4月18日閲覧。
  17. ^ a b 海外ビジネス情報:ケニア”. 日本貿易振興機構. 2014年10月11日閲覧。
  18. ^ NICHOLE SOBECKI (2020年4月16日). “アフリカの大都市、ナイロビの新型コロナ対策 外出禁止令で格差が浮き彫りに”. ナショナルジオグラフィック. https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/stories/20/041500019/ 2020年4月17日閲覧。 
  19. ^ a b c 2009 POPULATION & HOUSING CENSUS RESULTS”. Minister of State for Planning, National Development and Vision 2030. 2014年10月11日閲覧。
  20. ^ a b The World Factbook2014年10月11日閲覧
  21. ^ 松田素二「民族対立の社会理論」『現代アフリカの紛争を理解するために』アジア経済研究所 1998年
  22. ^ 宮本正興「アフリカの言語 その生態と機能」『ハンドブック現代アフリカ』岡倉登志明石書店、2002年12月
  23. ^ Lewis, M. Paul, Gary F. Simons, and Charles D. Fennig (eds.). 2015. Ethnologue: Languages of the World, Eighteenth edition. Dallas, Texas: SIL International. Online version: http://www.ethnologue.com.
  24. ^ Why don't some women take their husbands' names after marriage?, The STAR, Sep 19, 2015.
  25. ^ The World Bank (2013), Africa Development Indicators 2012/13, http://data.worldbank.org/data-catalog/africa-development-indicators 
  26. ^ ケニア 安全対策基礎データ「犯罪発生状況、防犯対策」”. 外務省. 2021年12月5日閲覧。
  27. ^ ケニアでもオバマ氏勝利を祝福、6日は「国民祝日」に”. AFPBB News (2008年11月6日). 2009年6月2日閲覧。






ケニアと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「ケニア」に関係したコラム

  • 株式の取引が行われる証券取引所の一覧

    2012年6月現在の日本の証券取引所、および、世界各国の証券取引所の一覧です。▼日本東京証券取引所(東証)大阪証券取引所(大証)名古屋証券取引所(名証)福岡証券取引所(福証)札幌証券取引所(札証)TO...

  • 世界の株価指数一覧

    株価指数は、証券取引所に上場している銘柄を一定の基準で選出し、それらの銘柄の株価を一定の計算方法で算出したものです。例えば、日本の株価指数の日経平均株価(日経平均、日経225)は、東京証券取引所(東証...

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ケニア」の関連用語

ケニアのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ケニアのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのケニア (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS