インターリングア インターリングアの概要

インターリングア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 05:48 UTC 版)

インターリングア
Interlingua
発音 IPA: [ɪntərˈlɪŋɡwə]; IA: [inteɾˈliŋɡwa]
創案者 国際補助語協会
創案時期 1951年
設定と使用 国際補助語
話者数 数百人[1]
目的による分類
表記体系 ラテン文字
参考言語による分類 フランス語
イタリア語
ポルトガル語
スペイン語
ドイツ語
英語
ロシア語
ラテン語
言語コード
ISO 639-1 ia
ISO 639-2 ina
ISO 639-3 ina
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インターリングアという語は、以下のようにも使用される。

  • 国際補助語の意で用いられる場合がある。interlinguistics英語版も参照のこと。
  • 機械翻訳による暫定的な文章もインターリングアと呼ばれる。

概要

科学技術、貿易、芸術の流動性の拡大が、ギリシア語ラテン語の拡大とあいまって、現代の言語間において語彙の共通性、類似に帰結した。インターリングアはこのように、既に存在する国際的な共通語彙と、アングロ・ロマンス言語の文法の簡略化によって、誰にでも理解が容易な、世界共通の言語を目指したものである。

歴史

インターリングアの語彙と文法は、1951年にはじめて発表された。後にIALAのディレクターとなるアレクサンダー・ゴーデ英語版が、この運動の第一人者の一人である。彼は、文法の研究書、イ・英(インターリングア→英語辞書、そして『Interlingua a Prime Vista (一目でわかるインターリングア)』と題した入門書を発表した。

文字

表記には通行のラテン文字 26 字を使う。各文字の発音は下図の通りである。

文字 発音
a [a]
b [b]
c{e,i,y} [ts] / [s]
c [k]
ch [k]
d [d]
e [e]
f [f]
g [ɡ]
h [h] / 発音しない
i [i]
j [ʒ] / [dʒ], [j]
k [k]
l [l]
m [m]
n [n]
o [o]
p [p]
ph [f]
qu [kw]
r [r] / [ɾ]
s [s] / [z] (母音の間)
t [t]
u [u]
v [v]
w [w]
x [ks] / [ɡz] (母音の間)
y [j] / [i]
z [z]

語彙

西ヨーロッパの言語においてはギリシアラテン語の語彙が共通の語源となっており、違う言語間でもある程度単語の意味を類推可能であることからわかるように、一定の類似性がある。英語フランス語、もしくはラテン語学習者は、同様にインターリングアの語彙も類推が可能であると言えよう。IALAは英語・フランス語・イタリア語スペイン/ポルトガル語(スペイン語、ポルトガル語は2言語を一単位とする)の4単位を主な語源とし、ドイツ語ロシア語を参考程度に位置付けている。

インターリングアにおいて、単語として選ばれるのは、まず、4つの主要言語単位(英・仏・伊・西/葡語)のうち3つにおいて、意味や語源において同じである語である。

関係する語が言語単位のうち2つにのみ見いだされる場合、ドイツ語とロシア語が参照される。言語を運用するのに必要な文法的な語は、この方法でうまくいかない場合、ラテン語から採用される。

インターリングアの語形は、現在の語彙の元になった歴史的な、もしくは仮定的な語形に基づいており、また派生語も参照される。例えば、「目」を意味するフランス語œil、イタリア語occhio、スペイン語ojo、ポルトガル語olhoはまるで異なっているが、これらはすべてoculoという歴史的な語形から生じており、またocularやoculistaといった国際的な派生語があるため、インターリングアではoculoという語形を使うことが決定される。

現在のインターリングアでは、IALAによる原型よりも、古典ラテン語からの語彙が減少し、ロマンス諸語からの語彙に置き換えられることが多いようである(emer → comprar「買う」、sed → ma「しかし」、nimis → troppo「あまりに」)。しかしながら、他のラテン語語彙(pro「〜のために」、contra「〜に対して」、post「〜の後に」、ergo「ゆえに」)などは、対応するロマンス諸語のそれぞれの語よりも、世界的に認知されていることから、そのまま使用されている。


  1. ^ Sabine Fiedler, 1999, "Phraseology in planned languages", Language Problems and Language Planning, vol. 23 no. 2
  2. ^ Panorama in Interlingua, an Interlingua news magazine, sometimes mentions native speakers of the language.


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