アンテナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/04 16:34 UTC 版)
接地
接地(アース)を必要とするアンテナでは、大地に直接接続して接地するのが基本である。ただし、この場合アンテナの地上高は0mになる。地上高を高くするために大地の代わりに波長に対して十分長い導線を四方八方に複数、水平に張ることで電気的に接地型アンテナと同じにできる。この導線をラジアルと言う。ラジアルは1/4波長まで短くできるが、その場合は指向性が上向きになる。またラジアルの本数が1本の場合は、もはや接地アンテナとは言えない。砂地や岩の多い大地では十分に接地抵抗を低くできない。そこで大地に平行に導線を展張することがある。これをカウンターポイズ(counterpoise)と言い、大地との間にコンデンサを形成させることで高周波的に接地と同じ効果を狙ったものである。
種類
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
電波の周波数や用途により、大きさも形状も異なる。ここでは主に形状によって分類する。
線状アンテナ
ダイポールアンテナ
半波長ダイポールアンテナの放射抵抗は約73Ω、折返しダイポールアンテナの放射抵抗は約292Ωである。
- モノポールアンテナ - ダイポールアンテナを片側だけにしたもので、上写真の円管柱アンテナもその一例。
- 逆V型アンテナ
- U型アドコックアンテナ
- エクスパンディッド・クワッド
- スクエアローアンテナ
- 折返しダイポールアンテナ
- 広帯域ダイポールアンテナ
- クロスダイポールアンテナ
八木・宇田アンテナ(八木アンテナ)
- 八木・宇田アンテナ
- GIP八木
- パラスタックアンテナ
単線給電アンテナ
接地型垂直アンテナ
- モノポールアンテナ
- ロングワイヤーアンテナ
- 逆L型アンテナ
- 逆F型アンテナ(線状)
- ホイップアンテナ
非接地型垂直アンテナ
ブラウンアンテナは1/4波長の1本の放射素子とその下部から放射状に数本の1/4波長の地線から構成される。放射抵抗は約21Ω。水平面指向性は全方向性。
スリーブアンテナは1/4波長の放射素子と同じ長さのスリーブからなる。放射抵抗は約70Ω。水平面指向性は全方向性。
コーリニアアレイアンテナは水平面指向性は全方向性。
- ブラウン・アンテナ(グラウンド・プレーン・アンテナ)
- スリーブアンテナ
- コーリニヤ(コーリニア、コリニア)アレーアンテナ
- 1/2λアンテナ
- J型アンテナ
- スリムジムアンテナ
コーナーリフレクタ・アンテナ
半波長ダイポールアンテナの後方に2つに折った平面反射板を置いたアンテナ。 反射板の開き角の角度で、利得や指向性が変わる。 開き角が90度の場合、半波長ダイポールアンテナより利得が大きい。また、開き角90度、反射板の折り目とダイポールアンテナとの距離が波長の半分のとき単一指向性になる[5]。
- 開き角60度
- 開き角90度
ループ・アンテナ
- ループ・アンテナ
- スケルトン・スロット
- ヘンテナ
- 双ループアンテナ
- ループ八木アンテナ(リングアンテナ)
- (キュビカル)クワッドアンテナ
- 5Aスペシャルアンテナ
- DDRR(Directional Discontinuity Ring Radiator)
- アルホード・ループアンテナ
位相差給電アンテナ
- 位相差給電アンテナ
- HB9CV
- スイス・クワッド
- ZLスペシャル
- アレイアンテナ
- フェイズドアレイアンテナ
- アダプティブアレーアンテナ
- Lazy-Hアンテナ
- バードケージアンテナ
- ツイギー・ビーム
- 8JKビーム・アンテナ(フラットトップアンテナ)
水平偏波全方向性アンテナ
- ターンスタイルアンテナ
- 折返しターンスタイルアンテナ
- 多段ターンスタイルアンテナ
- スーパーターンスタイルアンテナ
- スーパーゲインアンテナ
- EWEアンテナ
その他
- ビームアンテナ
- くし形アンテナ
- アドコック・アンテナ
板状アンテナ
- バイコニカル・アンテナ
- ディスコーン・アンテナ
- ボウタイ・アンテナ
- スパイラル・アンテナ
平面アンテナ
- マイクロストリップアンテナ(パッチアンテナ)
- 板状逆Fアンテナ(PIFA)
- 一層構造導波管スロットアレーアンテナ
- ラップアラウンド・アンテナ
開口面アンテナ
ホーンアンテナ
放射される電波は球面波になる。
- ホーンアンテナ
- ホーンリフレクタアンテナ
パラボラアンテナ
パラボラアンテナの一次放射器から放射された電波は回転放物面反射鏡で反射され平面波になる。敢えて主鏡を固定式凹球面鏡とした、500メートル球面電波望遠鏡などの例もある。
- オフセットパラボラアンテナ
- カセグレンアンテナ(カセグレン型パラボラアンテナ)
- グレゴリアンアンテナ(グレゴリ型パラボラアンテナ)
レンズ・アンテナ
進行波アンテナ
スロットアレイアンテナは、レーダーに用いられる。水平偏波を放射し、ビーム方向は導波管の軸方向と垂直になる。
EHアンテナ
- スター型EHアンテナ
- ブリッジ型EHアンテナ
磁界アンテナ
その他
- スーパーラドアンテナ
- 誘電体アンテナ
- レクテナ
- 漏洩同軸ケーブル
- スマートアンテナ
- 開口合成 - 専ら受信で使う技術だが、類似技術のフェイズドアレイアンテナやスタック化した八木・宇田アンテナと同様に送信も可能。(逆)合成開口レーダーや超長基線電波干渉法で使用される。
アンテナパーツ
アンテナの接続・設置のために用いる関連器具を、アマチュア無線あるいは家庭用テレビ受信アンテナ工事では総称してアンテナパーツあるいはアンテナアクセサリーという。主なアンテナパーツには次のようなものがある。
- マスト
- アンテナを設置するための支柱
- サイドベース(マストホルダー)
- マストを建物の壁面に取り付けるための器具
- 屋根馬(ルーフベース)
- マストを建物の屋根上に取り付けるための四本足の器具
- 支線止め金具
- 支線止め金具またはステー金具は、マストをステー(支線)で支えるときにマストに付ける金具
- ターンバックル
- ターンバックルはステーの張力を調節する金具
- ワイヤーコース(シンブル)、シャックル、ナスカン
- いずれも支線同士、支線とステー金具、支線とアンカー等とを接続するのに用いる金具類
- Uボルト
- アンテナをマストに取り付ける金具
注釈
出典
- ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典【アンテナ】
- ^ a b c d 『日本大百科全書』「アンテナ」
- ^ Graf, Rudolf F. (1999). Modern dictionary of electronics (7th ed., rev. and updated ed.). Boston: Newnes. ISBN 0-7506-9866-7
- ^ Antennae vs. antennas
- ^ 第一級陸上特殊無線技士無線工学試験 JZ02A
アンテナ+
アンテナと同じ種類の言葉
- アンテナのページへのリンク