くりはら田園鉄道 車両

くりはら田園鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 07:45 UTC 版)

車両

軌間762 mm時代

蒸気機関車
電気機関車
  • ED18形(ED181 - 183)
    • 電化に際して新造した電気機関車。改軌後もED20形に改造されて使用された。
気動車
  • キハ1形(1・2)
    • 1929年に瓦斯倫動力併用の認可を受けた際に導入した気動車[4]
電車
  • モハ2400形(2401 - 2403) 電化時に新造した電車。日本鉄道自動車製 台車、主電動機は東京都交通局からの譲受け品を改装[5]。2401・2402と2403の差異は、2401・2402が1950年製、定員88人、前面2枚窓で2403が1951年製、定員94人、前面3枚窓。他に側面の窓配置や全長などが異なる。改軌後は下津井電鉄に譲渡され、そこで電装解除され付随車(サハ1 - 3)として使用された。
  • サハ1400(1401-1405) 1919年雨宮製作所製のボギー車。客車のハフのうち5両を電車の付随車とした物。1403、1404、1405の3両が1956年に福島県磐梯急行電鉄に譲渡され、1403と1404がボサハ12・13、形態が少し異なる1405はボサハ14となった。ボサハ12と13は福島県猪苗代町の猪苗代緑の村に保存されている。
客車
  • 電化直前にハフ8両が在籍。
貨車
1950年2月時点でワフ5両、ワ10両、トフ5両、ト13両、トナ12両、トチ4両、ホト9両、タホコ(タンク車)6両が在籍。また陸運局無登録の貨車としてケト(無蓋車)7両、タ(タンク車)3両、ケセ(石炭車)3両が存在した。

栗原電鉄時代

電気機関車
ED202とワフ71
  • ED20形(ED201 - 203)
    • 改軌前のED18形の台車を交換した車両。軽便サイズの機関車が改造されて車両の大型化後も使用された希有な例である。ED201はチャチャワールドいしこしで保存されていたが2017年12月に解体[6]。細倉マインパーク前駅跡にED202が、若柳駅跡にED203が保存されている。
  • ED35形(初代)(ED351)
    • 西武鉄道1形1。改軌に伴って1955年に導入された東芝戦時形35 t機。1969年に2代目ED351に代替され廃車[7]
  • ED35形(2代)(ED351)
    • 東武鉄道日光軌道線ED610形ED611。初代ED351の代替を目的として1969年に入線し、以後貨物輸送の主力となった。1987年の廃車[8]後は石越駅のJRとの連絡線の跡地に放置されていたが、栃木県の鉄道愛好家に引き取られ、保存されている。
ディーゼル機関車
  • DB10型機関車(DB101・102)
    • 石越駅構内の入換用に使用された。DB102は貨物輸送廃止時に廃車され、DB101は電気運転廃止後の2005年に除籍された[8]。DB101が旧若柳駅にて動態保存されており、貨物列車の乗車体験が行われている。
電車
Mは電動車、Cは制御車を表し、その後の数字は車体長を表す。
  • M15形(M151 - 153)
    • 改軌の際にナニワ工機で新造された車両。当時の地方私鉄向け車両としては優れた車内設備を持っていた。電気運転廃止まで使用された[9]。M152はチャチャワールドいしこしで保存されていたが2017年12月に解体[6]。旧若柳駅にM153が保存されており、くりはら田園鉄道公園の開業時に修繕された。
  • C15形(C151・152)
    • 阪急51形81・86の車体と、西武鉄道のTR14型台車を組み合わせたC14形(C141・142)として登場したが、老朽化により1960年と1961年に鋼体化改造されてM15形と同等の設備となり、この際に形式もC15形(C151・152)に変更された。ラッシュ時の旅客の減少により、電気運転廃止前にはほとんど使用されていなかった[9]。C152がチャチャワールドいしこしで保存されていたが2017年12月に解体[6]
  • M17形(M171)・C17形(C171)
    • 国鉄50系電車→西武クモハ375・376。1977年に入線したが、あまり運用されず1987年に廃車された[9]
  • M18形(M181・182・183)
    • M181は元西武モハ204。M161として入線したが、1959年の鋼体化改造により車体長が伸びたため、M181に改番された[9]。M182・183の入線に伴い予備車となってからは、カラオケ機器などが設置されイベント用車両として使用された。くりはら田園鉄道になってからは若柳駅構内で留置されていたが、2009年に解体された。
    • M182・183は元福島交通モハ5300形で、飯坂線の昇圧により1991年に転入。福島交通では2両1編成で使用されていたが[10]、栗原電鉄では両運転台を活かして単行運転で使用された[9]。182には栗駒山を描いた「くりこま」、183には伊豆沼の白鳥を描いた「はくちょう」のヘッドマークが取り付けられていた。くりはら田園鉄道になってからは駐輪場として利用されていたが、その後解体された。
貨車
ワフ74号車とト102・103号車
  • ワフ7形(71 - 74)
    • 武蔵野鉄道緩急車で1914年製。末期は除草剤の散布用に利用された[9]。細倉マインパーク前駅跡にワフ71が、若柳駅跡にワフ74が保存されている。
  • ト10形(101 - 103)
    • 播丹鉄道から鉄道省、西武を経て当線に入線。1907年日本車輌製。空気ブレーキを持たない古典的な貨車として貴重な存在である。砂利散布に使用された[9]。旧若柳駅にてト102・103が動態保存されており、貨物列車の乗車会が開催される際はベンチを設置して旅客が乗車できるようになっている。

保線車両

くりはら田園鉄道時代

KD95形気動車
KD10形気動車
気動車
  • KD95形気動車(KD951 - 953)
    • 電気運転を廃止し内燃動力に移行した際に3台が新製された富士重工業製の車体長16 m級の軽快気動車 (LE-DC) 。同じく鉱山鉄道を前身に持つわたらせ渓谷鐵道わ89-300を参考にして設計された[4]。第三セクター化の際に嵩上げされたホーム高に合わせた車体設計のため、乗降扉の足元の位置はやや高めで、逆に扉下段差(ステップ)の高さは極力抑えられている。内装に宮城県産木材を多用するなど凝った作りである。951には白鳥、952には野菊、953には栗駒山と馬のエンブレムがつけられていた。ワンマン対応。3両共に現存し、951と953は定期的に動態保存活動を行っていて、952は線路が分断された旧車庫内に静態保存されている。(#動態保存を参照)
  • KD10形気動車(KD11・12)
    • 名鉄キハ10形15・16。朝の通学客対策のため1995年に名古屋鉄道から転入し、同年8月6日より快速さわべとして営業運転を開始したが当初は予備車に近い扱いであった[11]。晩年にはその通学客も激減して2両で運行する必要性が無くなったため、2005年春以降は定期運用を失った[4]。ワンマン対応工事は最後まで行われなかった。ちなみにこの気動車は、名鉄の閑散線区の電化を廃してコストダウンを図るために製造された物で、その意味ではKD95形と似た生い立ちを持つと言える。KD11が若柳駅にて保存され、動態保存活動に使用されている。

  1. ^ “栗原、野上電鉄打ち切り 中小民鉄欠損助成”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1993年2月17日) 
  2. ^ 杉崎行恭『百駅停車 股裂き駅にも停まります』新潮社、2013年4月25日、183頁。ISBN 978-4-10-334011-9 
  3. ^ (社)日本民営鉄道協会 (PDF)
  4. ^ a b c 寺田裕一『私鉄気動車30年JTBパブリッシング、2006年、42頁。ISBN 4-533-06532-5 
  5. ^ 中川浩一「私鉄高速電車発達史」『鉄道ピクトリアル』第211号、40頁。 
  6. ^ a b c 保存車両は再整備のため昨年12月中頃に解体されました
  7. ^ 杉田肇「西武鉄道の電気機関車」『鉄道ピクトリアル』第560号、鉄道図書刊行会、1992年5月、240-241頁。 
  8. ^ a b 寺田裕一『私鉄機関車30年』JTBパブリッシング、2005年、36,37,165頁。 
  9. ^ a b c d e f g 寺田裕一『ローカル私鉄車輌20年 東日本編』JTB、2001年、43-45頁。ISBN 4-533-03982-0 
  10. ^ 『ローカル私鉄車輌20年 東日本編』、47頁。 
  11. ^ 鉄道ファン』第426号、交友社、1996年10月、106-107頁。 


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