カワサキ・Z1-R/Z1R-II
Z1-R
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 03:47 UTC 版)
「カワサキ・Z1-R/Z1R-II」の記事における「Z1-R」の解説
カワサキの1リッタークラスにはZ1/Z900のマイナーチェンジ版のZ1000が存在していたが、多様なニーズに対応するため、派生車種として当時流行していたカフェレーサーイメージを持つタイプが開発された。その結果1978年モデルとして投入されたのがこのZ1-R(KZ1000-D1)である。 従来の曲線を多用したスタイルは一変し、直線を基調としながらも微妙な曲線美を持つ日本刀をイメージさせるもので、敢えてカラーリングも金属感を強調したメタリックスターダストシルバー1色のみの設定とした。車名には「Z1」の二文字を復活させ、エンジン塗色も初期のZ1と同じ黒を奢った。 カワサキ初のアルミキャストホイールや大容量膨張室を持った“4 in 1”集合管を装着し、ビキニカウリング内にはスピード/回転計のほか、燃料計と電流計が備えられ、方向指示器にはオートキャンセル機構が付加されるなど、装備品類にもコストを掛けた。 エンジンの基本ブロックは1978年モデルのZ1000(KZ1000-A2)のそれと同一だが、大径キャブレターの採用等により出力90ps(Z1000は83ps)を発揮し、スペシャルモデルとしての差別化を図った。(北米仕様に装備される加速ポンプは排ガス対策によるセッティングの希薄の為におこる息つきを補正するための物) この時期、急激な円高となり各社ともに一斉に値上げが行われたうえに、もともとベースモデルのKZ1000-A2よりも高い価格設定だったこと、また、この年に発売された競合各社の1リッタークラスとの性能比較では必ずしも良い成績を残すことができなかったこと、さらにはベースモデルのKZ1000-A2のフレーム構成のままで18インチ化したことにより前輪にまつわるリコール騒ぎなど、数々のマイナス要因を抱えていたにもかかわらず、全世界で1万5,000台以上を売り上げることとなった。 このZ1-R発売の翌年は日本の競合各社が1リッタークラスに新型車を続々投入したが、メディアによるテスト記事には「Z1-Rより速い」、「スタイリングの斬新さはZ1-Rに劣る」などZ1-Rを比較対象とした表現があふれ、あらゆる面においてのベンチマークとなった 現地プロデュースによる派生モデルとしてフランスにZ2-R(カラーリング変更)、ドイツにZ1000S(ビッグタンク、4本マフラー装備、北米向けプロダクションレーサーKZ1000S1とは無関係)、アメリカにZ1-RTC(ターボ装着)が存在する。
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