雑任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 05:19 UTC 版)
ぞうにんと読む。個々の官司において下働きや事務などを行う下級官人。四等官・品官からなる職事や才伎長上などの上級官人に対する存在である。皇親や五位以上の従者である帳内・資人もこれに準じる。式部省の判補によって採用されて交代で勤務する分番を採っており、官位相当はない。特典として課役が免ぜられる。毎年上・中・下の3等で評価され、8年分の評価(ただし706年(慶雲3年)の格で実際には6年分の評価で運用)に基づいて最大で3階相当分の叙位が行われた。以下のような種類がある。 史生(ししょう)文書事務を行う。もともとは太政官・神祇官や八省および主税寮・主計寮など一部の官司にしか置かれていなかったが、行政の煩雑化に伴って様々な官司へ増置された。 書生(しょしょう)文書の校正・清書を行う。平安時代に八省・大宰府に置かれて重要性が増した。 -掌(-しょう)史生と使部の中間で使部に指示して雑務を行わせる。掌の前には各官司名が入り(官掌・省掌など)後には職・寮などにも多数設置された(職掌・寮掌など)。 使部(つかいべ・しぶ)各官司の雑務にあたる官人。中央の全官司に設置された。もともとは六位以下の官人の子息を三等に分けた最下等が任用された。ちなみに上等は大舎人、中等は兵衛である。 舎人(とねり)要人の雑務・護衛にあたった官人。内舎人・大舎人・中宮舎人・東宮舎人・斎宮舎人などがあり、なかでも内舎人は上級官人の子息が任用されて出世の足がかりとなった。 兵衛(ひょうえ)兵衛府に属した兵士。舎人の一種で天皇の近辺を警護した。 伴部(ともべ・とものみやつこ・ばんぶ)令制以前の伴造の系統にあり、百済手部のようにほとんどは品部・雑戸を率いて現業特に工業部門を指揮した。また内礼司の主礼のように現業に携わらない例外もあった。これらの多くは統廃合によって廃止されたり、内匠寮の圧迫によって衰退していった。
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