貴族院の成立とは? わかりやすく解説

貴族院の成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:25 UTC 版)

貴族院 (イギリス)」の記事における「貴族院の成立」の解説

イギリスの統治機関多く1066年ノルマン・コンクエスト後に創設されイングランド王封建的臣下である直属受封者(英語版)(貴族)によって構成される国王諮問機関キュリア・レジス国王裁判所の意)から分化したのであるイギリスの議会であるパーラメントParliament of England)もその一つである。ジョン王1215年発布したマグナ・カルタ12条は国王キュリア・レジス大会議である全般諮問会議commune consilium、パーラメントはこれの特定の会合として発足)の同意なく、課税してはならない旨を定めている。 パーラメント初期には直属受封者のみで構成されていたが、12世紀から13世紀にかけて陪審員制度確立代議制への萌芽)、地方自治体発展に伴う封建勢力後退騎士市民などの中流階級勃興国王貴族対立などが起こりそのような背景から13世紀イングランド王パーラメントに州や都市の代表を加えようになった。これによってパーラメント代議制議会性格有するようになったパーラメント以降議会)が庶民院貴族院分離したのは、14世紀前期から中期頃と見られている。州代表騎士都市代表の市民議会から分離して庶民院実質形成しまた下聖職者議会去ったことで、議会残存部分(高位聖職者伯爵男爵)が貴族院実質を持つようになったのである14世紀末頃までには庶民院構成はかなり明確となり、それに伴って貴族院明瞭になっていったフランス旧領地を回復する戦費調達のためにイングランド王は、円滑な税の徴収欲しており、それには議会了解を得ることが必要であった。そのため国王議会への譲歩進め、その譲歩一つ制定法だった。14世紀末までには両院立法協賛課税協賛同様に慣例として確立した両院力関係でいえば、もともとは貴族院の方が圧倒的に強く庶民院はその副次的存在として「請願者(Petitioners)」に過ぎなかった。しかし封建貢納金銭化などで形骸化すると庶民院納税者集会性格強めていき、国王無視することができない存在成長したランカスター朝ヘンリー4世時代1407年には税の問題については庶民院先議することが決定され、続くヘンリー5世時代1414年には法制権上庶民院貴族院同格性が確認されている。 議会中心母体一つに高級裁判所パーラメントがあったので、議会当初より司法機能有したが、その機能庶民院より貴族院の方が強かった。特に14世紀末庶民院弾劾国王大臣貴族院告発する権利)を確立する及んで司法権貴族院にあり、庶民院にないことが明確化した。以降貴族院は、庶民院弾劾された貴族庶民裁判する権利重罪告発され貴族裁判する権利、そして下級裁判所判決を覆すことができる最高裁判所としての権能有するようになった初期イングランド議会における貴族とは、直属受封者のうち、国王から直接議会召集令状writ of summons)を出され、それによって貴族領と認定され所領所有する者のことであった。しかし14世紀末頃から国王勅許状貴族称号与えて新貴族創家を行うようになり、それ以降貴族領の有無関わりなく、貴族称号持って議会議席有する者が貴族看做されるようになった1502年の公式文書から、貴族院構成する高位聖職者爵位保有者指して聖職貴族及び世俗貴族Lords Spiritual and Temporal)」と呼ぶようになった。また貴族院House of Lords)という呼び方この頃から使用されるようになり、1510年から『貴族院日誌House of Lords journals)』の印刷開始されている。

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