紫地葵紋付桐文散辻が花染胴服とは? わかりやすく解説

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紫地葵紋付桐文散辻が花染胴服

主名称: 紫地葵紋付桐文散辻が花染胴服
指定番号 2518
枝番 00
指定年月日 1988.06.06(昭和63.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文:  胴服室町時代末から桃山時代にかけて武将たちが小袖のうえから羽織った表着である。こうした胴服には当時流行染織技法駆使され、様々なデザイン展開した。そのなかにはいわゆる辻が花染のものが見られる辻が花染室町から桃山時代にかけて登場した、縫【ぬ】い締【じ】め絞【しぼ】りの技法主体とする文様染である。もともとは女性子供用いるものとされたが、桃山時代には男女階層の別を問わず広く辻が花染愛用されるようになった
 これは辻が花染胴服遺例一つで、徳川家康一五四一一六一六)の所用伝えられる薄く綿を入れた仕立で、表の紫練緯地【むらさきねりぬきじ】には縫い締め絞りによって白揚【しろあ】げ・萌葱【もえぎ】・浅葱【あさぎ】に染め分けた文様適宜散らし、胸と背には三つ葉葵丸紋の三つ紋据える。葵紋の丸は浅葱、なかの地白く残して萌葱二枚浅葱一枚染めるなどすべて絞り染あらわしている。意匠のうえからは、豊臣秀吉所用とされる矢襖胴服京都国立博物館保管 重文)や石見銀山いわみぎんざん】の山師安原伝兵衛家康から拝領した丁子胴服島根県清水寺所蔵 重文)など現存辻が花染胴服多く大柄華やかであるのに対して、これは文様配色ひかえめで、紫の地に按配よく散らされ文の、間【ま】の取りかたも巧妙である。むしろこうした意匠家康所用葵紋辻が花染小袖徳川黎明会所蔵 重文)に見るような瀟酒デザイン感覚通じるといえようまた、形態的には袖幅狭く身幅広く襟幅も広いといった桃山時代特色示し家康所用白地葵紋檜葉草花模様辻が花染胴服水府明徳会所蔵 重文)に近似している。同時に伝えられ胸紐紫の組み紐撚金糸【よりきんし】を組み込んで縁取り繋ぎ表したもので、当代遺品として希有である。
 当初の姿を伝え桃山時代特色をよく示した辻が花染胴服遺例である。



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