異類婚姻譚
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異類婚姻譚(いるいこんいんたん)とは、違った種類の存在と人間とが結婚する説話の総称。世界的に分布し、日本においても多く見られる説話類型である。なお、神婚と異類(神以外)婚姻とに分離できるとする見方や、逆に異常誕生譚をも広く同類型としてとらえる考え方もある。
- ^ 川森博司 (1993). “異種婚説謂”. 国立歴史民俗博物館研究報告: 1-2.
- ^ 結婚の原型 : 異類婚譚の起源. 北宋社. (2001年11月). pp. 7-9
- ^ “物語要素事典”. 平成30-12-05閲覧。
- ^ 愛原豊「鼠草紙 いと楽し◇動物と人間が結婚!?篠山に伝わる御伽草子絵巻の魅力◇」『日本経済新聞』朝刊2018年12月5日(文化面)2018年12月7日閲覧。
- ^ 聊斎志異〈上〉. 岩波文庫. (1997年1月16日). p. 466
- ^ 聊斎志異〈第1巻〉―完訳. 角川文庫. (1955年2月10日). pp. 639-640
- ^ 小倉貞男 『物語ヴェトナムの歴史 一億人国家のダイナミズム』〈中公新書〉、63-64頁。ISBN 4-12-101372-7。
- ^ ギリシア神話. 紀伊國屋書店. (新装版1998年). pp. 4-6
- ^ ギリシア案内記. 岩波文庫(上・下). (1991-1992年). p. 7
- ^ Swanton, John Reed (1909). Tlingit myths and texts, recorded by John R. Swanton. University of California Libraries. Washington, Govt. print. off
- 1 異類婚姻譚とは
- 2 異類婚姻譚の概要
- 3 ヨーロッパ
- 4 関連項目
異類婚姻譚
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「日本の文化における狐」の記事における「異類婚姻譚」の解説
狐が霊獣として伝えられる歴史は非常に古く、『日本霊異記』に、すでに狐の話が記されている。美濃大野郡の男が広野で1人の美女に出会い、結ばれて子をなすが、女は狐の化けた姿で、犬に正体を悟られて野に帰ってしまう。しかし男は狐に、「なんじ我を忘れたか、子までなせし仲ではないか、来つ寝(来て寝よ)」と言った。なお、これを元本に発展させた今昔物語にもこの話は収録され、きつねの語源としている。狐は人間との婚姻譚において語られることが多く、後に『葛の葉』、『信太妻(しのだづま)』を経、古浄瑠璃『信田妻(しのだづま)』において、異類婚姻によって生まれた子の超越的能力というモチーフが、稀代の陰陽師、安倍晴明の出生となって完成される。 「狐」は、蜘蛛、蛇などと同じく大和朝廷側から見た被差別民であったという見方もある。彼らは、大和朝廷が勢力を伸ばす段階で先住の地を追われた人々であり、人ではない者として動物の名称で呼ばれたという見方である。彼らが、害をもたらす存在として扱われる場合、それは朝廷側の、自分たちが追い出した異民族が復讐してくるのではという恐怖心の現れであると考えられる。また、動物が不思議な能力(特殊能力)を持つというのは、異民族が持つ特殊な技術を暗に意味している場合がある。この考え方に沿えば、異類婚姻は、それらの人々との婚姻を意味することになる。つまり女が身元を偽って(化けて)婚姻したものの里が暴かれ、子の将来を案じて消えてしまった物語と解される。 狐の子が神秘的能力をもつというのは、稲荷の神の使いとして親しまれてきた狐が、元来は農耕神として信仰され、豊穣や富のシンボルであったことに由来するものである。狐婚姻の類話には、正体を知られて別れた狐の女が、農繁期に帰ってきて田仕事で夫を助けると、稲がよく実るようになったという話がある。
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