現存本とは? わかりやすく解説

現存本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:57 UTC 版)

日本書紀」の記事における「現存本」の解説

現存する最古のものは平安初期のもの田中本巻第十ならびにその僚巻に相当する巻第一断簡)。 写本古本系統卜部家系統本に分類される。(この他に「伊勢系」を分けて考える説もある) 神代巻巻第一巻第二)の一書小書双行になっているものが古本系統であり、大書一段下げになっているものが卜部家系統である。原本では古本系統諸本同じく小書双行であった考えられている。 以下に国宝重要文化財指定されているものをいくつかあげる。 古本系統佐佐木9世紀第1巻断簡 - 四天王寺本・猪熊本・田中本の僚巻。紙背には空海漢詩集めた遍照発揮性霊集へんじょうほっきしょうりょうしゅう)』(真済編)が記されている。訓点なし。個人四天王寺9世紀巻第一断簡 - 佐佐木本・猪熊本・田中本の僚巻。紙背文書については佐佐木本と同じ。訓点なし。四天王寺猪熊9世紀巻第一断簡 - 佐佐木本・四天王寺本・田中本の僚巻。紙背文書については佐佐木本と同じ。訓点なし。個人田中9世紀写 巻第十 - 佐佐木本・四天王寺本・猪熊本の僚巻。紙背文書については佐佐木本と同じ。訓点なし。奈良国立博物館岩崎1011世紀巻第二十二二十四 - 訓点付きのものとしては最古本文声点は六声体系図書寮本と比較すると、本文訓点ともに相違大きい。京都国立博物館前田本 11世紀写 巻第十一・十四十七二十 - 訓点図書寮本と同系統であるが、多少古態存する声点四声体系前田育徳会図書寮本(書陵部本) 12世紀写 巻第十十二十七二十一〜二十四 - 訓点あり(第10巻を除く)。第14巻第17巻前田本と、巻第二十二二十四は北野本と、それぞれ同系統。声点四声体系宮内庁書陵部北野第1類巻第二十二二十七(平安末期写) - 訓点あり。鎌倉末〜南北朝期神祇伯であった白川伯王家・資継王の所蔵本が、室町中期吉田家系の卜部永の所有となったもの。北野天満宮鴨脚本(嘉禎本) 1236年嘉禎2年)写 巻第二 - 訓点あり。京都賀茂御祖神社社家鴨脚いちょう)氏旧蔵本。本文訓点とも大江家系か。國學院大學卜部家本系統卜部兼方本(弘安本) 弘安9年1286年)写 巻第一・二 - 訓点あり。平野家系の卜部兼方書写大江家点との比較丹念に記す。声点四声体系京都国立博物館卜部兼夏本(乾元本) 嘉元元年1303年)写 巻第一・二 - 訓点あり。吉田家系の卜部兼夏の書写。『弘仁私記その他の私記多数引用声点四声体系天理大学附属天理図書館熱田本 1375〜7年巻第一〜十・十二十五 - 訓点あり。熱田神宮図書寮本(書陵部本) 1346年南朝正平元年北朝貞和2年)写 巻第二 - 訓点あり。北畠親房旧蔵本。宮内庁書陵部北野第2類巻第二十八三十平安末〜鎌倉初期写)、第3類巻第一四・五・七〜十・十二十三十五十七二十一(南北朝写)、第4類巻第三六・十一(室町後期写)、第5類…巻第十六(幕末写) - 訓点あり(第1巻を除く)。第2・3類は第1類同様白川伯王家・資継王の旧蔵本。資継王が加点しているため、本文とは異なり訓点伯家点系である。北野天満宮卜部兼右本 天9年1540年)写 巻第三三十 - 大永5年1525年)に吉田家当主卜部兼満が家に火を放って出奔した際に卜部家伝来の本も焼失したため、若くしてその後継いだ兼右が、以前卜部家本を書写していた三条西実隆の本を書写させてもらい、更に一条家の本(一条兼良写、卜部兼煕証)で校合して証本したもの当初全巻揃っていたが、神代巻2巻再度失われた人代28巻を完備したものとしては最古位置する

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現存本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 17:33 UTC 版)

天経或問」の記事における「現存本」の解説

刊本・清写本よりも、和刻本・和写本の方が多く現存している。注釈書多く現存している。『天経或問後集』も一応現存している。 現代語訳は無い。

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